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第五章

罠は今まで確かに沢山あった。


あれから僕たちは数々の罠をくぐり抜けてきた。中にはびっくりする罠もあったけど、それなりにゼンが片付けた。


広間に出た。相当大きい広間に。天井まで50メートルぐらいはありそうだ。


するといきなり壁を突き破って巨大な蛇が出てきた。僕は蛇が大嫌いだった。あの鱗、脚や手の無い胴体、そして何よりあの口や顔に嫌悪を覚えた。


このときは蛇を恐れてしまった自分にむかついた。今まで出会った蛇は全部殺している。こいつだって例外じゃない。それに僕は蛇を見ると闘争心が涌くんだ。今の僕に平常心なんてないね。


「ちょっと面かせや」


僕は跳んだ。脚にいっぱいの力を込めて大蛇の方へ跳んだ。僕は短刀を空中で構え、大蛇の目に向かって思いっきり投げた。その短刀はしっかり大蛇の目に当たり、大蛇はたじろいだ。僕は大蛇の鼻の上に落下するように落ちて、かかと落としを喰らわせた。


「クソ蛇がっ!!!」


僕はかかと落としをする際に大蛇から短刀を抜き取っておいた。その地面に落ちている時に、抜き取った短刀で大蛇の体を切り裂いた。大蛇を切り裂きながら落下した。大蛇の鱗は結構堅くて僕の腕は悲鳴を上げた。もし、落下の力をかりていなかったらもうとっくに僕の腕は壊れているだろう。


大蛇が後ろへひっくり返るように倒れたところで僕は後ろを向いた。ゼン達が僕を何だこいつは?と言う目で見ていた。


僕が蛇を嫌いになったのはちょうどゼンが旅に出たのと同時ぐらいだ。僕はそのことを思い出し、愛想笑い浮かべてゼン達に歩み寄った。するとゼンが笑みを浮かべた。


「油断は禁物だぜ?」


後ろで甲高い鳴き声がした。


「ミナトちゃ〜ん」


僕はゼンが何を言ったのか、いまいち聞き取れなかった。なぜなら体が、精神が大蛇に向いている。つまり殺したと思っていたハズの大蛇に気を取られたからだ。


大蛇はさっきよりも殺気立っていた。まず目が違う。さっきの大蛇の気持ちとしてはちょっと遊んでやるか、とかそんな感じだっただろう。だけど今は違う。絶対に殺す、そう言う目をしている。僕の体が震えた。大蛇におびえているのだ。そんな自分にまたしても腹が立った。


「俺がミナトの変わりに殺ってやるよ」


後ろから水の塊が飛んできた。よくみるとゼンだった。ゼン自身が大蛇の口に入った。そのまま腹にいったらしい。大蛇の口からゴクンと言う音が漏れた。


「ゼンッ!!!」

「そんな慌てないでないで」


ミツが落ち着きを払って僕をなだめる。でもそれどころではない。ゼンが飲み込まれたんだぞ?!


「っざけんなっ。あいつはダチなんだ。僕が助けてや・・・」

「助けてもらわなくて結構」


ゼンは大蛇の腹をぶち破って出てきた。


僕は待たしてもこいつらにやられたのだ。


途中参加とは中々傷つくものだとこの時に痛感した。

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