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第四章

遅くなってすいませんでした

僕はゼンを見つめる事しかできなかった。矢によって貫かれたはずのゼンを。でもゼンは僕の不安を気にもせず、ただ立っていた。まるでそこで何も起こらなかったかのように。ゼンの体からは水が滴り落ちていた。

「あれがゼンの能力だよ。まぁ、オレも男としちゃ恥ずかしい事に今のあんたと同じような感じになったな。あれを見たときは」

「・・・」

やっと分かった。なんでゼンがあんな狭いすき間の奥にあるレバーを引くことが出来たのか。あの時は全然気にしていなかったけど。それはゼンの腕が液体になったからだ。液体になればすき間が大きかろうが狭かろうがそんなことは全く関係ない。

「ゼンにはどんな物理的攻撃も効かない」

「たかが液体って思ってると痛い目に会うってことよ」

「・・・そうみたいだな」

ゼンは首を左右に動かした後、こっちを向いた。顔は何とか原型を保っているが、ところどころに汗のような水があった。

「もういいだろっ。もう何もねぇよ」

「分かったわ」

ミツがゼンの後に続き、中に入って行った。

「ぼ、ぼくは?」

「あんたは次だ。早く行けよ」

「うるせぇ」

前からゼン、ミツ、僕、ハクという序列になった。たぶんミツと僕は弱いから強い人の中に入れたのだろう。みんなの配慮は確かに正しいけど、僕の気分を損ねることになった。


入り口から遠ざかっていくごとに暗くなり、結局は何も見えないぐらいになってしまった。僕の目の前にはハクがいるハズだ。ハクの足跡を頼りに僕はみんなに付いていった。その動きは中々大変で、僕は何度かハク達を見失いそうになった。

「なぁ、宝モンってどこにあるの?」

「全然まだだろうな。一個しか罠がない」

「それにこれだけでここに入ってきた奴らが全員帰ってこないって理由にもならんしな」

「そ、そうか」

僕は意味のない質問をしたことに気づいた。そうだ、これだけなワケがない。まだ何かがあるに決まっている。何かがあるにね。


また突き当たりに来てしまった。どうやらこのピラミッドの設計図を書いた人は行き止まりが好きらしい。そうじゃないとしたら、絶対に人を怒らすのが得意な人だ。


だけど今回は簡単だった。目の前にボタンがあったのだ。ゼンはそれをためらわずに押した。きっと何が起ころうとも大丈夫と思っていたのだろう。ゼンの予想は当たり何もなかった。


でも僕だけ気づいた物がある。開いた壁のすき間に光っている二つ物があったのだ。僕はそれを眺めてから拾った。別にゼン達に言う必要も無いと思ったから言わなかった。


僕が拾った二つの物は五芒星の石の様な物だった。簡単に言うと星形(☆)だ。もしや、これがゼン達の探している宝かな、とか思いながらもそうじゃない事を分かっていたから僕はポケットにしまっておいた。それが後々どんな役割を果たすかも知らずに・・・・・

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