第三章
ピラミッドの中はジメジメしていて、簡単に言うと湿っていた。僕は壁に触りながらゼン達に着いていった。ゼン達はもうこの手の仕事は慣れているようでピラミッド自体に恐れることもなくズカズカ中に入っていった。
でも、そんなにうまくいくはずもなく、直ぐに行き止まりになってしまった。
「俺達が、ここまで来た道で他の道は無かったよな」
「ああ」
「そういうことなら、こっから先にも進めるってこった」
確かにそうだ。だけど道が無いのにどうやって進む?
ゼン達は壁を探り始めた。
「なにしてるの?」
「こういう壁は何かスイッチとか、そう言う仕掛けがあるの」
「レジェンドなら、力でこの壁突き破っちゃえばいいじゃん」
「そう簡単にいかないの。レジェンドの力で壊せない仕掛けも施されているわ」
「ふ〜ん」
僕も見よう見まねでやってみた。適当に壁を触るだけだけど。
壁は石が何段も積み重なってできていた。ザラザラしていて、見た目から言って削って作られたようだ。この石には特別な効力があって、それでレジェンドの力を封じているのだろうか。そうだとしたら、この石を持っていればレジェンドに対して有利だ。と仕掛けとは関係なしの事を考えながら、ぺたぺた触っていた。
「あったぜ」
ハクが言うと僕以外のみんなが集まった。僕はみんながやってくれると思い近づかなかった。まぁ単に面倒くさかったのだ。
「お前もさっさと来いよ」
ゼンに呼ばれてやっと僕は行った。僕は最初、ハクが見つけたというスイッチ(?)を見つけることが出来なかった。それもそのはず、スイッチは石と石の間の僅かなすき間にあった。しかも、そのすき間のさらに奥。すき間の奥にはすき間よりも大きな空間があって、そこにレバーがあった。
「オレがやるぞっ」
とゼンが言った。
ハクは普通に答えた。
「当たり前だろ」
でもなんで当たり前なのだろう?
ゼンがレバー引くと行き止まりだった壁が少し開いた。でも一人がやっと通れるほどの間だった。
「ここはオレしかいねえな」
ゼンがみんなを制した。
「まぁ、この状況ではゼンが一番だろうね」
「そうだな」
「?」
僕はみんなが話している意味が分からなかった。
「な、なんでゼンなんだよ?」
僕が素直に聞くとあ、そうかといいながらハクとミツが笑った。
「まぁ見てりゃわかるさ」
ゼンは振り返ってそう言った後、何の恐れも見せずに奥へ進んでいった。ゼンが間を通って、さらに進もうとすると両側の壁から鋭利なものが飛んできた。僕が一歩前に行こうとしたら、ハクが僕の前に手を出して行かせてくれなかった。
「なんで?!」
「あいつが見てろって言ったろ」
ゼンは何の動揺もせずに言った。
ゼンに鋭利なものが突き刺さった。
でも・・・
鋭利なものはゼンの体を突き抜けていった。次々に鋭利なものがゼンの体をすり抜けていく。圧巻だった。たぶん、今の僕は口が開いたままでさぞかし滑稽だろう。
「な?」
「・・・・・どうなってんだよ?」
僕は今、混乱のまっただ中だった。
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