第十三話
街に無断で入ることは世界統一で禁止と決められていた。犯罪者やテロリストをたやすく待ちに侵入させないためだ。だから街に入るには、入行書というのが必要だ。関所などで発効することができる。ミナトはそれを持っていなかった。手に入れる必要はあったが何より手続きが面倒だった。
そして、それは今回だけではなかった。今までの街でも何とかやり過ごせてきた。だからこの街でもやり過ごせるだろうと思っていた。
今回、ミナトが来た街は入行書の検査が厳しかった。だからここに来る前に盗賊の入行書を奪っておいた。
たいてい、その検査が厳しい街はすべての規則が厳しい。入行書は手始めといったところだろう。
だから、ミナトは多少のことは承知していた。それに自分の力ならだいたいのことはやりとおせると思っていた。
「ミナトはいるか?!そいつは凶悪犯だぞ」
とか言って、この街のレジェンドが俺の止まっている宿に来たとしても、
「今から、全員調べるから」
とか言って、ついに俺の番になっても、
「お、お前ミナトじゃないのか!?」
とか言って、周りの客がめちゃくちゃ驚いたとしても、俺は力でこの場を切り抜ける。
ミナトは、両手を合わせ自身を炎にした。炎になるとレジェンドの横をあざ笑うように通り抜けると同時に、レジェンドの周りに火の輪作った。これでレジェンドは動けない。今のうちに逃げよう。
これでまた、街を移動しなきゃならなくなっちゃったな。めんどくさいったらありゃしない。
ミナトはヒト型に戻ってから全速力で逃げ出した。炎のままだと、何かと困る。
その時
「へ〜だ。あたしがこんなとこで捕まるわけないでしょ〜だ」
ミナトよりも少し年下の女の子がミナトのほうへ走ってきた。
「おい、危ないって!退けよ」
「はぁ!?あたしは今かなり忙しいの!」
「なに?」
「まぁ、いいよ。あんたも逃げてるんでしょ?」
「まぁ・・・」
「じゃあ、着いてきてよ」
俺はしぶしぶ彼女のあとを追った。俺よりも彼女のほうがこの街には詳しい。今は彼女の言うことを聞くことにしよう。
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