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十二章

 砂漠、盗賊とある男が対峙していた。

「た、たのむ。命だけは」

「解せねぇな。それはお前の心臓だけを無傷にしろって事か、それとも生かして欲しいのか?」


 男は手から火を出しながら言った。


「や、やめてくれ」

 男は何のためらいもなく盗賊に火をつけ、燃やした。

「答えになってねぇよ」



 ゼンとの事件からすでに時が経ち、ミナトは18歳になっていた。ミナトはいくつかの街を旅し、いろいろな物を見た。そして冷酷になったのだ。さっきも別に何かを思ってやった事ではない。

 新しい街に着くとミナトは食料を新たに買い、適当な宿を見つけて泊まった。

 ミナトはベッドに寝っ転がって昔のことを回想していた。


 思うとあの日から俺は変わったんだな、当たり前だけど。

 あの日、俺の肩にいた不死鳥はいつの間にか、いなくなっていた。俺がボーッとしていると、どこからともなくさっきの不死鳥の鳴き声が聞こえた。俺は周りを探したけど、ドコにも不死鳥はいなかった。

 もう一度鳴き声。それで分かった。さっきの不死鳥は俺の中に入ったのだと。そして俺の能力も分かった。火だ。

 これでゼンを灰にする。跡形もなくしてやる。

 憎しみを忘れないために、体に入れ墨を彫ってもらった。不死鳥が舞い、魚龍を倒すような画を彫ってもらった。絶対に、憎しみを忘れないために。

 まぁ、俺だけの力でゼンに近づくのは難しくないとしてもあいつが何人かと一緒に行動してるのは確かだ。ならば俺も仲間を連れる必要がある。それも俺にしたがってくれるような人間がいい。

 いざ俺とゼンが戦うときに邪魔してくるような仲間は欲しくない。つまり、俺に完全に屈服させるか憧れを抱かせる、そうすれば俺には逆らわない。他にも手はあるだろうけど今はそれだけでも良いだろう。


コンコン


 ミナトは自分の部屋がノックされてるのだと気づき、戸を開けようとした。この宿は部屋と部屋の間隔があまりなく、ノックは隣の客の部屋のそれと間違えやすい。


「夜ご飯の用意が出来ましたので、食堂へ来てください」

「・・・分かった」


 ミナトは素っ気なく言葉を返すと、一旦部屋の隅に戻ってコートを着た。砂漠は昼はとてつもなく暑いが夜になると一変して寒くなる。




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