十一章〜第二部始〜
二部目になりますがよろしくお願いします。
「ある村に仲の良い二人の男の子がいました。その内の一人は村を出て、いろいろな街を回りました。もう一人は村に残り、仕事に精を出していました。村を出た方の男は強くなり、悪を倒そうとしましたが自分の限界を知りました。そして仲の良い人に自分の願いを託しました。託された男は託した男に憎しみを抱きました・・・・・」
「なんで嫌いになったのぉ?」
「それは託した方が託された方に酷いことをしたし、酷い事を言ったからだよ」
「じゃあ、その続きは?」
「あぁ。それはまだ俺も知らないんだ」
「何それぇ」
俺は道の片隅で死にそうになっていた少女に食事を与え、俺とミナトの話をした。もちろん、自分だと言うことも伏せたし、名前も明かしていない。
「いつになったら話してくれるのぉ?」
「いつになるんだかは俺にも分からないさ」
「えぇ〜」
「大丈夫。ノーラが大人になる頃には話せるさ」
「ふ〜ん」
まぁ、それが俺でないことは確かだけど。
俺は意味のないことをしようとは思わない。だからノーラを助けた。彼女は俺とミナトを近づける役目をするだろうと、俺は踏んでいる。
「じゃあ、俺はこれでね」
「うん。また会える?」
「会えるさ」
どうだか分からないけど。
「じゃあ、いいや。バイバイ」
俺は彼女に背を向け、街を出た。
俺は今からしなきゃならないことがある。とっても重要だ。
レセルの場所はもう分かっている。何年を調べてパターンをつかみ、次に訪れる場所を予想した。予想という割には確信に近い。
「よく俺達の場所が分かったな。だてに何年も俺らを追ってないって事か」
「まぁ、そういうことになるな」
「で、今回も俺達を倒そうするのか?無駄なことなのに」
「ああ、無駄だよ。分かった。だから今回はそんな用事じゃないんだ」
レセルの俺と話していた男が不思議そうに俺を見た。そりゃそうだろうな。今まではレセルを倒すだけの一点張りだったんだから。
でも今回は違うんだよ。と俺は言った。
「じゃあ何が目的なんだ?」
「俺も仲間に入れて欲しいんだ」
「なに?」
語らしてもらうぜ、と俺は下を向いて言った。
「俺は何度もお前達に挑んでそのたびに殺されかけた。これでも、結構強いと自負していたんだ。それがぼろぼろにやられたんだからショックは受けたよ。でもそれ以上にお前らの仲間になりたいと思ったんだ。世界を破滅させるんだったら、俺ももちろん生き残りたい」
「最初は俺一人だったレセルも今は七人。全て俺が認めた奴だ」
「・・・・・」
「仲間になりたいのなら、俺を認めさせろ」
そう来ると思ったぜ。俺が見てる時に仲間に入り損なった奴を少なからず見てきた。正直、奴の動きや癖はだいたい読める。
「できるさ」
「その自信がどこから出てくるんだかな」
自信?そんなのミナトに思いを託したときから決めてたんだ。俺は憎まれる奴になろうと。その内にミナトはレセルを知る。それで、俺と同じ目的だと分かってレセルを倒そうとする。
だから、だから、俺はレセルに入るんだ。いや、入らなければならないんだ。
「ギア1・魚龍人」
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