去る前の一工夫 1
何故投稿を始めてから仕事が忙しくなるのか…(´・ω・)
作品タイトルを変更しました。
さて、追放されて「はい、それで終わり」なんてことはおそらく、いや十中八九ありえるはずは無く、必ず私が何処へ行ったか探りを入れてくるのはわかっている。
探りを入れてくるだけならまだ良い方で下手したら刺客を放ってくる可能性も大いにある。
そこで私は旅立つための下準備をすることにした。
何事もそうだが下準備が出来ているかどうかで結果が良い方に傾く可能性が上がるのは当然だと思う。
まずは屋敷から追放される際に直感的に持ち出していた金を使い旅支度をする。
幸い私の追放をしたという事実を宣言するにも当日直ぐに行うことは不可能なため今日一日なら買い物程度なら不自由はしないから今日で全ての準備をする。
先立ってまずは服装からだな。
私は華美な服装より動きやすい服装を好むため追放された時はそこそこ上等な騎士服を着用していた。
ちなみに騎士服とは騎士と名付いているが別に騎士以外でも着ている者もおり、貴族の一般的な運動も出来る見た目も悪くない私服みたいな物と捉えてほしい。
さすがにこの服装では目立つ為これだけは早めに着替える必要があった。
私は早速ファルハイト公爵領首都、ファルランにて買い物することにした。
全ての買い物をここファルランで済ませば足取りを掴むことを難しくするための布石でもある、と思わせるためだ。
幾つかの可能性を感じさせることでこちらの真の目的から目を背けされることが出来るならありがたい。
私はとりあえず目に入った服屋に入ることにした。
「おう、らっしゃいって、あんた騎士様かい?ここは騎士様向けの物は扱っては無いぜ?」
「いや、気にしないでくれ。近々任務にて変装する必要があるからな。何か適当な旅装を一式頼む」
「あいよ。あんたのガタイは中々良い方だからこのサイズだな…。ってなると料金は3万エンだな」
…私も困惑したが何故かこの世界の通貨が「エン」だ。
と、いうより様々な物の単位…メートルや一匹、はてにはウサギを一羽と数えたりと全てが日本準拠なのだ。
まぁ、私は覚えることが減って助かったと思っている。
「ふむ…これでちょうどだと思うが確認を頼む」
私は財布から『紙幣』を出した。
驚くことに中世風のこの世界でも通貨は紙幣を発行しており持ち運びが非常に楽である。
…まぁ、よくよく考えてみると商人や旅人が一枚一枚は軽いがそれを大量に持つとそこそこの重さになる硬貨を持つよりかは随分と現実的ではある。
「おう…ちょうどだな。毎度あり」
「店主…すまないがひとつ聞きたい。最近東の治安はどうなっているかわかるか?私は今まで北の雪原地帯で勤めを果たしていたが久しぶりにこちらへ来たんだがどうも東の噂話を聞くことができなくてな…何か知らないか?」
これは、ひとつの仕掛けである。奴等が引っかかるとありがたいが…
気まぐれでも見ていただきありがとうございました。