ユウ、転生する
ん?
「フィリア様、おめでとうございます! 元気な男の子ですよ!」
なにか、女の人の声が聞こえてくる。
「ありがとう。あなたのおかげよ。」
誰の声だろう?心があったかくなるような…。
―――――― そこで、僕の意識は途切れた ――――――
何ヶ月経っただろう?
今まで、ずっと眠っていたような意識が、急に冴えてきた。
することもないので、僕は、魔力操作の練習や、毎日来る乳母から情報収集をしていた。
―――――― 約一週間後 ――――――
まず、情報を整理するが、
僕の名前は、ユウ・バティスチアというらしい。
名前は前世に似ているな。
この世界は、幻想世界といって、五つの国と、魔物の国(四つの国)で、成り立っている。
その内、僕が産まれたこの国は、バティスチア王国だ。
バティスチア王国は、魔法の国と言われるほど、魔法が発達しているらしい。
この国は、中心に王城があり、その周りをいくつもの都市が囲うように存在している。
ちなみに、今、最もさかえていて、有名な都市を
魔法学園都市
というらしい。
その名のとおり、この国に一つしかない、魔法学園が中心となって、さかえている都市だな。
···残念ながら、スルーした人もいるかもしれないが、僕の名前には、バティスチアがついている。
実はな…。
僕は、この国の
第一王子なのである!!!
はぁ、はぁ、
驚いただろう。
まぁ、でもそれで、王になれるって訳でもないんだがな。
この国の王になるためには、
ある魔法が使えなければならないらしい。
王の血が入ってなければ無理らしいがな。
なぜこんなに詳しいのかというと、
乳母が、口を酸っぱくして言ってきたからだ。
普通の乳児に分かる訳ないのにな。
僕だから分かった訳だが。
···あっ、そうそう。
魔力操作の練習の話だったな、
成功したんだが、ものすごく大変だったぞ。
そもそも、魔力ってなんなんだ?って、話になってな。
まず、身体に循環させることから考えた訳だ。
小説によく出てくる、血液が巡る想像をするって、やつだな。
実際にやってみると、まぁ、できたんだが。
···もっと練習が必要だな…。
ん?
なんで俺って、言わないのかだって?
いや、一国の王子が俺って言うのはどうかと思ってな。
···。
···。
···あっ、そういえば。僕の容姿ってどうなっているんだろうな。
少し離れたところに鏡があるっぽいし、
そのうち見てみるか。