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孤高の魔法使い  作者: くりーむパン★
フィスタリア
19/30

決勝戦

 


 嵐のように去った、あの第二回戦から、大会は順調に進んでいた。


 第一回戦目に勝っていた、魔法使いのラーンは、どうやら着々と勝利を重ねていたようだ。




 あの第二回戦で勝っていたネビルは、次の試合で、疲れていたのか、負けてしまっていた。あんなに凄い試合を見た後だったので、少し残念だ。








 あっ、そうそう、もう次の試合で最後になるらしい。つまり決勝戦だ。らしいというのは、僕が途中で眠気に負けて寝てしまったから、今の状況がわからないのだ。






 おっ、司会のターニャさんの声が聞こえてきた。




「今から!フィスタリア最後の戦いが行われます!」



「その出場者は、」



「S級冒険者、暗黒のクラインと、」



「なんと‼同じくS級冒険者、雷撃のハンスだ!!!!」



「彼らは、四年前の大会の時も、決勝戦で戦っています!!」



「さあ、どちらが勝つのでしょうか!!」





「では、決勝戦」




「開始!!!!」



 ♤  ♡  ♧  ♢





 先手は、クラインだった。闇魔法を使い、場内の全体の視界を真っ暗にしたのだ。しかし、この魔法はどの試合にも使っているらしい。



 この魔法の対処のし方が、この試合の勝敗を分けるようだ。


 ハンスはどのように対処するのだろうか。




 すると、バキバキバキッと闇の空間が割れた。

 どうやら雷魔法で空間を裂いたようだ。





 おっと、今度は、ハンスが仕掛けた。空に雷雲が立ちのぼり、場内にいくつもの雷を落としている。だんだんクラインに集中してきた。


 クラインは、雲の影の中を渡りながらそれを避けている。おそらく、闇魔法の一種なのだろう。

 


 どちらが勝つのか全く予想できない。


 クラインが影の中から攻撃をしだした。

 様々な方向から攻撃されるハンスは、回避するのがやっとみたいだ。



 ハンスが雷雲を消さざるを得なくなり、クラインの隠れるための影が消えた。

 

 

 ハンスが槍を取り出した。武器の戦闘に切り替えるつもりなのだろう。


 クラインも武器に替えるようだ、武器は…、弓みたいだ。



 ハンスは槍に雷を纏わせ、クラインも弓に闇を纏わせている。




 クラインは、闇色に染まった矢を空に向かって撃っていく。





 すると、ハンスの頭上からもの凄いスピードの矢が落ちてきた。しかし、全て弾き飛ばされてしまったみたいだ。



 呆気にとられているクラインにハンスが渾身の一撃をもって攻撃する…。








 が、突然クラインが消え、ハンスが刺されていた。クラインが、影を自分に擬態させていたのだ。





 それからは、クラインがハンスを圧倒し勝利した。



 大会優勝者が決定したのだ。




 歓声が爆発した。それほど素晴らしい試合だったのだ。







 ♤  ♡  ♧  ♢




 僕も、観客に混ざって、歓声をあげた。






 すぐに、父上が褒賞をクラインにわたさなければならないため、僕は付き添いのために席を立った。





 ♤  ♡  ♧  ♢


  


 今から父上が、クラインに褒賞を授与する。



 褒賞は、1,000,000リネ、(ファンタジスタの通貨)と、国宝級の魔法袋だ。


 この魔法袋は、世界に数個しかなく、容量無制限で、時間が止まっている。1リネは、だいたい10円ほどだ。




 やはり四年に一度の大会だけあって、褒賞はとても豪華だ。







「えー、暗黒のクライン殿、貴殿は、バティスチア王国で最も強い者として証明された。なので、この褒賞を授与する」





 そう言って、褒賞を渡した後、父上はクラインと握手をした。



 そして、



「これからも冒険者として頑張ってくれ」


 と言った。




 すると、またもや歓声が湧き上がった。

 皆、クラインの優勝をたたえていた。



 クラインはもちろんこう答えた。


「ありがとうございます!」




 こうして、四年に一度の大会、フィスタリアは幕を閉じた。




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