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孤高の魔法使い  作者: くりーむパン★
フィスタリア
17/30

酒豪のネビル

m(__)m 


いつもよりだいぶ長くなってしまいました。


明日は忙しくて投稿出来ないかもです。

 


 おれの名はネビル、

 先日、S級冒険者になったばかりだ。


 今は酒豪なんて呼ばれてるが、昔はここまで成り上がるのに、努力だけで頑張ってきた。








 ♤  ♡  ♧  ♢







 おれは、名前もない小さな村に、四男として産まれた。




 おれの家は、歴史が長く、古いしきたりに縛られてばかりだった。おれは、そんな家が大嫌いだった。




 小さい頃からメイスを使うのが得意だったので、冒険者になって稼いでやる!!と、意気込んで村を飛び出していった。








 そしてたどり着いたのが、この国、バティスチア王国だ。




 初めて、冒険者ギルドに行ったとき、ガタイのいい人ばかりで、とても驚いていたのをよく憶えている。






 だが、冒険者の生活は、村の生活よりも数倍大変で、何度も辞めようと思っていた。

 そんな時だった、

 今回の対戦相手、ルーナに出会ったのは…。








 その日、おれは魔物討伐の依頼を受けていた。

 いつもどおり、倒した後に出てきた魔石を集め、ギルドに達成報告をして来ようと思っていたやさきだった。



 悲鳴が聞こえてきた。


 おれは、何かあったのだろうかと思い、急いで声の聞こえる方へ行った。






 そこには、一人の女の子と、A級指定の魔物、ワイバーンがいた。



 ワイバーンは、主に、ダンジョンの奥や、山の頂上周辺にいることが多い。ここのような、ランクの低い森にいるのは、奇跡と言っていいほど、珍しいことだった。



 おれは、助けなければならないと思い、ワイバーンの弱点、頭をめがけて愛用のメイスを、渾身の力を込めて振り落とした。



 最終的に一撃で倒すことができ、女の子も助かった。



 おれは、その時まだB級冒険者だったが、この出来事がきっかけで、A級冒険者にあがることが出来た。




 この女の子は、助けたあの日から、会う度にお礼を言ってくれる。





 …が、しかし、この女の子がルーナという訳ではない。






 ♤  ♡  ♧  ♢




 おれは、女の子を助けた後、ワイバーンが出たことの報告を兼ねて、ギルドへ行った。


 ギルドの受付で、ある女の子が涙を流しながら何かを訴えていた。





「私の友達が、森に行ったっきり帰って来ないんです!」



「何か知りませんか?」



「少しの事でいいんです!」




 それを見た女の子が、




「あ、あれは私の友達です!」



「無事だよって伝えてきます!」



 そう言って、さっきの女の子の所まで走っていった。




「えっ、リン?リンなの?」



「今まで何処にいたの?探したんだよ」



 と、安心したような笑顔を浮かべて言った。




「ごめんねルーナちゃん」



「実は、森でワイバーンに襲われちゃって…」





「だ、大丈夫だったの?」






「うん!全然大丈夫」






「この人が、一撃で倒してくれたんだ!」






「そんなの?ありがとうございました。えっと…」





「ああ、おれの名前はネビルだ」





「分かりました。本当にありがとうございました、ネビルさん」



 そう言われて、おれは少し照れくさくなった。



「そういえばリン、」


「本当に無傷だったんだね?」



「ホント、ホント!」



「そっかぁ、良かったぁ」



「私もネビルさんみたいに強くなって、リンを守れるようにならないと」




「えっ、ルーナちゃんが私を守ってくれるの?ありがとう」




「そんなぁ、だって友達だもん」




 そんなこんなで、二人と別れた時、一瞬ルーナに睨まれた気がしたが、気のせいだろう。


 その時はそう思っていたが、実際は違った。








 実のところ、ルーナは無類のリン好きだった訳だ。





 まぁ、そこからどんどん関係が荒れていったのだが…。




 でも、ルーナ達と会話をしているのはとても楽しかった。


 このような日常がなくなるのが怖かった。



 それが、おれの冒険者を辞めなかった理由だ。







 そして、今、目の前にルーナがいる。


 正直、この試合で負けたら、引退しようかと思っている。


 いい頃合いだと思うからだ。



 そう考え、正面を向いた時、


 ちょうど、試合開始のテープが切って落とされた…。





 ♤  ♡  ♧  ♢




 試合開始そうそう、早速場内に、無数の竜巻が発生し、ネビルを襲った。


 おそらく、ルーナが風の中級魔法を使ったのだろう。


 ネビルはそれを、大きな体躯で軽々と避け、ルーナに中級土魔法の火山弾ロックバレットを仕掛けた。


 たくさんの尖った拳サイズの石が、ルーナを襲った。ルーナはそれを回避する為、風魔法で追い払った。


 が、しかし、数個を受けてしまったようだ。




「やっぱり手加減はしてくれないんですね」


 荒い呼吸をしながらルーナが言った。

 それにネビルが応える。



「そりゃあ、こういう性分なんでね」






 …その会話の後、すぐさま戦闘が再開された。




 ネビルが、思いっきりメイスを地面に振り落としたのだ。




 あっという間に、場内全体の足場が悪くなってしまった。それほどの威力があったのだ。



 だがルーナはお構いなしに、両手にナイフを持ち、ネビルを攻撃する。


 ネビルはそれをメイスで受け止める。




 そんな攻防戦が、長いこと続いていた時、突如、ネビルの行動によって幕が落とされた。







「これじゃあ埒があかねぇ、」



「自分の最大の技をぶつけ合って、立っていたほうが勝ちにしねぇか」



 ルーナもそう思っていたのか、すぐに、承諾した。



「分かりました」


 そう言って、二人は場内の端と端に移動した。







「「じゃあ、いくぞ(ます)!」」



 そう、観客全てに声が響いた瞬間、


 白い光に場内全体が包まれた…。




 全員、何がおこったのか理解できていなかったが、





 最後に立っていたのは、ネビルだった。







 世界が割れるかと思うほどの歓声が、響きわたった。





 ♤  ♡  ♧  ♢





 ルーナは、最後の一撃、自分の最大限の魔力を込めて、今自分が撃てる最大の魔法、上級風魔法、疾風の演舞(エアリエル)を放った。



 一方ネビルは、同じく、上級土魔法、地精の巨人(ゲノーモス)を使った。





 あの時、凄まじい妖精の突風と、巨人の拳がぶつかりあったのだ。







 が、しかし、このことは当人達しか知らない…。





 ♤  ♡  ♧  ♢




 この試合を見て、とても圧倒された。



 これでS級なら、SS級の冒険者はどれほど強いのだろう。僕も強くなれるだろうか。

 来年の、三才の誕生日に神殿に行くのがとっても楽しみだ。そこで、自分の適性属性がわかるらしい。



 いったいこの大会、誰が優勝するんだろう…。





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