さて、本題に入ります
父上達は、やっと言い合いをやめ、
今日ここに来た訳を話し始めた。
「えー、コホン」
「ユウ、今日私がここに来たのは」
「明日の大会で、初のお前のお披露目をしようと思ったからだ」
「お前は一応、第一王子だからな」
父上達の言いたいことは分かったが、
大会、というのが分からなかった。
「父上、たいかいというのはなんですか?」
「なんだ、ユウは知らないのか」
「実は明日、四年に一度、バティスチア王国国内で行われる大会、」
「フィスタリアが行われるんだ」
「まぁようは、バティスチア王国で一番強い一人を決める大会ってことだな」
「勝った人に褒賞を与えるのが、その時の国王なんだ」
「それで戦いを見守る役割が私にはあるんだが、」
「お前も来ないか?ユウ」
「お前のお披露目をする、いい機会だと思うんだが…」
すると、今まで黙っていたバルが、急に喋り始めた。
「お前それただ、前の時みたいに、独りで寂しく見ているのが嫌なだけだろ」
「···うっ、そんなことないぞ、」
「私はただユウのことを思ってだな…」
「あーあー、そうですか」
「でもそれを決めるのはユウ自身だ」
「で、ユウ、お前はどっちがいい?」
僕は、魔法を見てみたい気持ちや、外がどうなっているのか気になっている気持ちがあったので、もちろんこう答えた。
「僕は、父上とみにいってみたいです。バル」
「だ、そうだぞ、父上」
「ユウありがとな」
父上が、涙声で言ってきた。
ん?なんだか急に、父上が笑顔になった。
「あっ、そうだ」
「ユウ、お前明日どんな服を着ていきたい?」
その言葉を聞いた瞬間、
僕は数時間、
着せ替え人形と化した…。