プロローグ
初投稿です。
「ユウー、俺彼女できたわ」
何気なく友人Aの口から発言されたその言葉に、俺は自分の耳を疑った。
確かに友人Aは、イケメンで、頭も良く、運動神経もいい。
コイツならあり得るだろうな……と、俺は心の中どこかで納得してしまっていた…。
「はっ⁉ マジで⁉ 誰だよ!」
と思わず反射的に言うと、彼はニヤニヤと含み笑いをしながら応えてきた。正直ムカついてくる。
俺は、やっぱりかわいいんだろうなぁと思った。
「フッフッフッ、聞いて驚け、かの有名な『河波高校 彼女になってほしいランキング』で第十位の本田由紀さんだ」
「…はっ⁉ なんだと⁉ ズリーぞお前だけ!」
あの、あの、あの、有名なランキングにランクインしている人だと⁉それは流石に予想外だった。
が、しかし、
そう言うと、彼は急に笑いはじめた。
「ぷっ、ふふふ、アハハハハッ」はぁ、はぁ、
「ふふふっ、えー、以上『モ○タリング』でしたー テヘペロ☆」
「···」
「···」
「嘘かよ! つーか、男がそれやってもちっともかわいくねーよ!」
心の中で、俺は少し安心した。
「いやぁ〜、やっぱりユウのツッコミは、最高だね! 卒業したら、二人で漫才しよう‼」
「んなことしねーわ!」
「え〜、ユウはつれないなぁ〜」
などと、いつものように、バカな会話をしながら、帰り道を友人Aと歩いていた。
しかし、それはあまりに一瞬のことで、本人さえも、反応できなかった。
「···っつ、ユウ危ない!」
という友人Aの声は、奇しくも届かず、俺はいつの間にか白い光に包まれ、視界はぐるりと暗転していた。