ジレンマ
ジレンマ
大切にしていた
あなたからの手紙の束を
目の前に
積み上げる
なんでもない
あなたの毎日が
一字一字に
生きている
あなたの24時間は
一枚の便箋に
宝の山のように
積み上げられている
封筒から
手紙を取り出すと
はらりと
涙が乾いた紙にしみる
今日私は
あなたの人生を
燃やそうと
決めた
あなたを燃やすか
私を燃やすか
道は
二つに分かれている
厚ぼったい手紙の束は
鉛のように
冷たく重く
私の自由を奪うから
ばばぬきでばばが残り
鬼ごっこで鬼が残ったら
ゲームは
お終い
だから私が残る
ゲームは
もう終わりにしようと
あなたが耳元で囁く