髪を伸ばそう。
よし、髪を伸ばそう。
彼に髪を掻き上げられる所を想像した。
後頭部に持って行かれた手はそのまま、上から下に向かって
頭を優しく撫で上げる。
3度ほど頭を撫でた後、急にその手は止まる。
心地よかった行為がなくなり、寂しさを覚えた私は
彼の顔を見上げる。
それが合図と言わんばかりに、彼の体に力が込められ
私は逃げられない。
一応、抵抗を試みるがそんなもの彼の前では皆無。
なんの意味も持たない。
気が付けば唇が触れ合い、
息つく暇などなく、唇を貪られ、
捕食される。