トーナメント4
僕のここでのすごい事は負けるとは微塵も思ってないことだろう。
確かに武器も変えて来て危険な感じもするし、今までの戦いも全力の戦いじゃないのはわかってる。それでも負けるような相手じゃない別に侮ってる訳でもない。
「では、先に行かせてもらいます!」
こういう時に先制をするのは弱い方と決まっている。そう僕である。この場合の弱い方っていうのは称号の位によるもので、実際の異世界からの勇者と言う称号を明言されていたらわからないけど今はただの転校生なので僕から行ったという話です。
初撃は軽く打ち込むこれは防がれるからすぐさま二撃目に入る。それにしてもさしぶりに聞く剣と剣のぶつかる音である。
そこからはそれの繰り返しの連撃の打ち合いになる。
「最初から飛ばしてくれるんですね」
「僕は弱いですからね。だから姑息な手だって使いますよ」
本当のところは余裕しゃくしゃくで挑んで負けるのは恥ずかしかったからだったりする。
「いえ、あなたは正しいと思います。私の育ててくれた親も同じ事を言ってました」
それはちょっとその親とは気が合いそうだ、と思った。
撃ち合っていて気付く、流石に戦いなれてるとそれに親の言葉もちゃんと組み込んでいる。先から脚をちょこちょこ引掻けようとしてくる。
「やはり聖剣を持つだけのことはあるんですね一撃一撃がとても重くて力強いです!」
「ユウタあなたはあまり剣が得意ではないようですね。それをあまりある身体能力でカバーしているように見えます」
やっぱバレてるのかと思いながら距離を置こうと下がろうとした瞬間にさらに詰め寄ってくる。
「逃がしませんよ。距離を置いてもただ長くなるだけですよこの試合が」
疲れてはいないけど距離を置いて安心したところで負けようと思っていたのに詰めてきたのを咄嗟に防いじゃって、負けるタイミングが。
そんなことを考えた瞬間に足への意識を疎かにしてしまう。
脚を引掛けられてしまい転倒してしまう。マウントポジションを取られ負け確定である。でも僕は右手で砂を掴んでいた。
先生からの勝敗の判決が出て右手に持っていたものを離す。
僕の上から降りたルミアさんは僕に手を差し伸べてくれる。
「あなたはちゃんと負け確定の状況でもちゃんと次の対策をしててさすがだと思いました」
ルミアさんには僕が砂を持っていたことはバッチリ見られていたようだ。
「だから言ったでしょ、僕は弱いから姑息なことだってするって」
ルミアさんの手を取り立ち上がらしてもらう。
「勝ち負けに姑息なんてものありませんよ。あるのは死ぬか生きるかですから」
その言葉を聞いた時にルミアさんの環境はそう言う所だったのかと思う。また、僕は甘く見ていたみたいです。
僕が立って数秒して拍手が送られる。
僕は意外だなと思う。まとまりがないからさっさと帰ってるものだと思った。
「驚いているようですけど当たり前のことです。聖剣を持った私とあそこまで渡り合ったのですから」
確かに考えてみればそうだけど軽く流されているとは思はなかったのかな。
「私はいつでも本気ですよ。わざわざ長引かせることなんて事しません。まあ全力って訳でもなかったですけどね」
ああ、一瞬で倒されてたのっていつも通りでしたのね。
考えてみればそうかと可笑しくて笑ってしまう。
「どうかしましたか」
「いや、何でもないんだ。ただ見当違いの事をずっと思っていた自分に笑えて来てね」
みんなすごい事には称賛を送ってくれるんだ。もしかしたらこの事はいや完全に噂になるだろうな。勇者と渡り合った転校生、いやルミアさんが認められてないかったらただかなり強い転校生として噂が立ちそうだ。
これにて午前の授業は終了です。濃い午前でした。




