甘え
食事中も終始喋ってくるのがイラついたが、何とか全部食べ切ることができた。
「じゃあそろそろ行くよ、俺はここで」
そう言って、こいつから離れようとしたら
「あっ僕も行くよ」
と、席を立って付いてくる。
このままついてこられるとめんどくさいのでどうしようかと、考えていると前方に女子の集団を発見したのでそれに擦り付けようと考え近づいて行く。
「あれ、新君じゃないみんな」
思っていた通り、食いついてきてくれた。
「ねえ、新君今日のことについて話しよー」
女子の集団に囲まれてるうちにと俺はこの場からスーッと抜ける。
「待って、その前にシノブ君がって・・・あれシノブ君は」
周りを見てもどこにもいなくなっていた。
「ねえねえ速く座ってお喋りしよー」
そのあと周りの女の子たちに流されるままになった。
「これからどうするんですか、勇者様」
「勇者はやめてって言ってるでしょ」
「あっそうでした。でもさっきは、許してくれませんでしたか」
「いや、それは君が少し変だったから言えなかっただけだよ・・・それに悠蛇様ってだけでも少し呼ばせてる感じで嫌なのに」
「それは、ユウタ様が本当に呼ばせてるのでは?」
「そういわれればそうなんだけど、でも呼び捨ては嫌なんでしょ」
「いえ、今はもうむしろ呼び捨てで呼びたいぐらいです」
どういう心境の変化だよ、と思うがその提案は普通にうれしかった。
「それなら普通に呼び捨てでいいよ」
「ほ、ほんとですか、ならこれからそうしますねユウタ・・・さん」
やっぱりどこか引け目に感じたのか、さんを付けて呼んできた。
「やっぱり少し呼びにくかった呼び捨ては、別に無理しなくていいんだよ」
「いや、そういう事ではないんですけど、ただ・・・一緒に居るんだったら家族みたいなものだし、ならもう家族であり、なら僕が奥さんってことになって・・・・」
もう段々意味が分からない方向になってるな、この子の思考。
「ま、まあおいおい慣れていけばいいんじゃないかな」
「え、あ、そうですね時間はたくさんありますしね」
何とか結論がついたところで、他の話をしようとした時に食堂の方から誰かが走って来て、僕の両腕をガシッと掴まれ、顔を上げたところを見たらシノブであったため、シノブらしくない行動についにこいつもホモ化かと思ったが、どうやらそうではないらしく
「悠蛇なんか今までありがとう」
突然お礼を言われた。
「どうしたの後痛いから手を放して」
「ああ悪いな、ただとてつもなくあいつとかかわることが、如何にめんどくさいか思い知らされてな」
意味が解らない感じだがまあ、こんなシノブは珍しいのでよしとする。
「いや、本当にあいつと一生かかわらねえは、うっとうし過ぎる、ちょっとは静かにできねえのかよ食事中も喋ってきやがって・・・」
あんまり喋らないシノブがここまでイラつかせて喋らせるなんて、一体どんな奴にあったんだろと僕が思っている隣で僕の裾の方を引っ張ている感じがして、見てみると彼女がかなりシノブの様子を見てすごく怯えている。
「ちょっとシノブ怖がってるから」
「・・・は、・・・いや、え、ごめん」
シノブも僕の隣を見て、慌てて謝る。
「もうシノブ怖がらせないでよ」
「いやマジ本当にごめんね君、悠蛇も悪いな少し頭冷やしてくるは俺」
「ああ、そうした方がいいよ」
シノブは、去っていく。
「いや、ごめんねなんか僕の知り合いが」
「いえ、ユウタさんがいたから大丈夫です。でもなんかユウタさんといると甘えたくなってすぐに怯えてしまって、ダメですね僕」
それは、しょうがないだろこの子はおじいちゃんとも離れて、男にもなりきって、ここにいたんだからそこに僕と言う少し頼れそうな人にあったらそうなるだろう。
「別に僕は、構わないよそんな事、だから気にしなくていいからドンドン甘えていいよ」
「なら手を繋いでもらえますか」
そんなこと言われたらもちろん
「いいよ」
と返してしまいますよね。
さっきの事がなかったかのように顔を赤面させ、手を繋ぐ。
「恥ずかしいなら、やめる?」
その言葉すらももう耳に入っていないようだ。




