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一発ネタ短編

もう死にたい……

作者: 寝る犬

 ……さようなら


 俺はロープを首にかけ、踏み台を蹴った。

 これでもう、この苦痛に満ちた世界から抜け出せる。


 出来ることなら、ゲームの世界にでも転生してくれたら最高なのに。

 そう思いながら、俺は意識を失った。



「おお、死んでしまうとは何事だ!」


 突然、赤いマントで金ピカの王冠を頭に載せた、先っぽがくるんとなったヒゲを生やしたオッサンが、俺に語りかけてきた。


「しかたのないやつじゃな。お前にもう一度チャンスをやろう」


 これは! 異世界転生キター?! のか?


「戦いで傷ついた時には、家に帰って傷を回復させるのじゃぞ!」


 俺は? 勇者になるのか?


「再びこのようなことが起こらぬことを、わしは祈っておるぞ!」


 その言葉を最後に、俺はもう一度意識を失った。



 俺は、自室で目を覚ました。

 そこには蹴り飛ばされた踏み台と、天上から吊り下げられたロープがゆらゆらと揺れていた。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 書き始めが、 読者(ある特定の分野の読者)の気持ちにぴったり寄り添っている。 内容は、重いかもしれないが、読後感がとても良い。 (読者のもっている)問題は何も解決していないのに 読後に…
2017/11/22 14:33 ありがとう。助かりました。
[良い点] 上手いオチですね! 衝撃的かつ、残酷! 主人公の絶望感が、文章が終わった後の空白からひしひしと伝わってきました。 描写もわかりやすかったです。
2014/10/22 01:47 退会済み
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