なんでこうなるのっ!
遅くなって申し訳ないです。
私事が忙しくなっております。
どの作品も解決はさせるので!
私は必死に手を動かしながら心の中で叫んでいた。
目の前に広がる書類の束、束、束
目の前が紙の束以外何にも見えない。
「ペースが遅い、もっと頭と手を動かしなさい」
書類の束の向こうからルイ様からの叱咤が聞こえてくる。
こんなんじゃあ、ロマンスなんて始まらないじゃないですか!
数時間前のこと
なぜか軍服の姿のお母様と文官姿の私ははらはらしながらも執務室に潜入した。
「今日から配属になりました、リオです。微力ながらルイ様のお力になれますよう尽力を尽くしていく所存ですのでよろしくお願いいたします」
私はあらかじめ準備をしていた偽名を名乗り、ゆっくりと文官としての礼をして顔を上げるとルイ様は全くこちらを見ておらず、ただ指で山のように積みあがっている書類を処理するように指示した。
もう少し何かしらのアクションを期待していた私は拍子抜けしたけれど、今から始まるであろうめくるめく恋の物語に思いをはせていた。
しかしそんな想いはすぐに崩れ去った。
何度もルイ様のもとに通っていた幼少時代はあまりにルイ様ばかりを見ていたためかここが戦場であることに初めて気が付いたのだ。
「なんだこれは金額が違うじゃないですか、あの税官どもは本当に仕事をしているのか!新人あとで叩き付けてきなさい!!」
「もう禿げそうだから仕官をやめたいだと…怠惰にもほどがある。あいつがはげるのならば俺はとっくに剥げてるわ!新人こいつ髪を毛根からとってこい!」
「ああ殿下そんなに働かれては体に毒です。今すぐお茶の準備を!新人殿下の代わりにこの書類を処理しておくように」
目の前で起こる情景をただ流されるまま見ていた私はルイ様が、お兄さまのためにお茶を準備をはじめたことからやっと正気に戻れた。
ユーグおじ様の方を向けばこちらを見ないようにお母様とお菓子を食べている。
お兄さまの方を向けば私に気が付いているのか、お茶を一口飲むと意味ありげに私を見てほほ笑んだ。
…なんかむかつく
「こらっ新人!手が止まっていますよ。それが終わらないと今日は帰れませんからね」
目ざとく気が付いたルイ様からまた怒られた私は椅子に座り直し必至で目の前の書類に取り掛かった。
またお兄さまもルイ様も休憩を終えるとまた静寂とともにルイ様の悪態が聞こえてきたが何かおかしいことに気が付いた。
そういえばここにお父様がいないからだ…
ほかの仕事を処理してからこちらに来るということだが、何も起こらないといいけどとそう考えていればタイミングよくお父様が帰ってきてしまった。
お父様は最初から新人が来ることを知っていたため、ちらっと私を一瞥してそのまま自身の机と向かったがある一点を目に留めて固まった。
持っていた書類を床に散らばせても全く動かなくなってしまった。
もちろんお母様を見て固まっている。
…ばれちゃったかぁ、まぁお母様がいればお父様に気がそがれて私に気が付かないからいいか!
だが…
「…お前はだれ、だ」
お父様から発せられた言葉は予想外だった。
ユーグおじ様もばれると思っていたのだろう大きく目を見開いて二人を見ている。
「はい、今日から陛下をお守りいたします。ユーグ近衛隊長の部下のアディと申します。どうぞよろしくお願いたします」
お母様は能天気に敬礼ではなくぺこっと頭を下げると微笑んだ。
ヴァルド「本当にお母様はお可愛らしい」
ユーグ「うん、可愛いのは認めるけど…そろそろはっきりしないかなヴァルド君」
ヴァルド「何がですかユーグおじ様?」
ユーグ「ヴァルド君はなんていうかさぁお母さんのことどう思っているのかなって…」
リーナ「はっきり言わないとわからないわ!お兄さまはマザコンなの?」
ヴァルド「ああ、そういうことか…何をいまさら当然僕は「デンカァァァ」
ルイ「こちらにおられたのですか!先ほどの議会のことなのですが…」
ヴァルド「そのことなら…」
二人は去ってしまった。
ユーグ「またわからなかった…」
リーナ「ルイ様のばぁか!!」




