陛下と夕食です
短いです。
時間おいてもう一つ上げます
あの後すぐに夕食となったが、離宮に行かれていた陛下もなぜか本日も一緒に夕食を戴くことになった。
さっきまでの乱れた姿はそこにはなく、普段通りに整えられていた。
陛下はなんて律儀な方なのでしょう…
お飾りの王妃のために次代王妃様との時間を割かれるなんて!本当は今すぐにでも会いに行かれたいのでしょう
陛下はいつものように眉間にしわを寄せ黙々と食事をとられている。
しかし、しばしば私を目が合うのです!
私の行動に気が付かれているのでしょうか?
恐る恐る私は王に「陛下、私の顔に何かついていますか?」と問いかけると陛下は無表情のまま首を振られた。
「アデル、急にいなくなるな。散歩には侍女をつけろ」
うろちょろするなということですね!
侍女をつけろとは、つまり監視ということ。
うかつな行動はできなくなってしまいましたわ。
離宮には変な相手は近づけさせないということですね。
「わかりました。もう決して離宮には近づきませんとも」
「そこまで言っていない。ただ王宮で迷うな」
ああどうしましょう。
このままでは次代王妃様に会えないわ。
そういえばバイブルにはいろいろ方法があったわ。
そうだわ!廊下で待ち伏せしましょう。
足をかけて転ばすのよ。
けど、私の出来るかしら?
先ほどから何かを考えているのか食事をする手が止まっている王妃に王――ジークは声をかけた。
「おい、アデル聞いているのか?」
アデルのとなりで食事をとっていた皇太子であるヴァルドは母を見上げ首を振った。
「父様、母様は聞いていらっしゃらないと僕は思います」
「そうか…」