はじめは手間のかかる妹みたいだった
恥ずかしくて言えないが、薔薇の庭園でしゃがみこんで泣いている少女を見つけた時は妖精かと目を疑ってしまった。
しかしその後、泣いている少女にしがみ付かれてどうしようもなくなって途方に暮れかけた。
学友であったユーグの妹のアデルを助けたことで、彼女にこの俺が懐かれてしまった。
それからというものアデルの予測不可能な迷いように頭を悩まされることになる。
けど、兄弟がいない俺にとって妹とはこうゆうものなのかと、ユーグの話を全く聞いていないアデルに俺はユーグに初めて哀れに感じた。
「あれアデルは?ジークが来たから先に迎えに行ったみたいなんだけど」
首を傾けたユーグに俺はまたかと思った。
なぜ住んでいる家の中で玄関まで迷ってしまうのか!
「……お前の妹はどうなっている」
「……可愛いだろ」
「…ここにいたのか」
ユーグと別れてアデルを探していると重たそうな扉にスカートの端を挟まれ動けなくなっているアデルを発見した。
「あっ殿下!いらっしゃいませ」
俺を見ると嬉しそうに微笑んでこちらに駆け寄ってこようとしたが、スカートは挟まったままなのでそのまま床に頭をぶつけていた。
とろいのかバカなのか…
真っ赤になってしまった額を抑えて呻いている少女に知らずに笑いが込み上げてくる。
「くくっ大丈夫か?」
笑いながら赤くなった額に手を添えてやるとアデルは顔も真っ赤になって俺を見てそのまま満面の笑みで「はい」とうなずいた。
その時何か胸がうずいたような気がした。
胸に触ってみたが何ともなくて気のせいかと思った。
その後いつものようにアデルを膝に抱っこしてやったり、髪を梳いてやったりしているうちにその胸の疼きをよく感じるようになった。
「うちとしてはアデルの相手はルイかなって思ってるよ」
ある日なんとなくアデルの婚約者はいるのかと何気なく聞いてみたところユーグからそのように答えが返ってきた。
「…ほう、ルイか」
候補としては自身の身近にいたとは思わなかった。
なんとなくアデルはいつも自分の横で笑っているものだと思っていたが…
「ちょっとジーク、お前その殺気なんなの!怖いんだけど」
その日は俺がアデルをだれにも渡したくないとわかった日
本気でルイを殺そうとした日であった。
ルイ「えっ何ですか!」
ジーク「…俺のために死んでくれるよな」
ルイ「無理ですって!あああああ」




