人生最悪の日(ルイ視点)
「ここに来たということはもう気持ちは分かっているのでしょう」
部屋にはいった第一声がこれだった。何のことでしょうか?
「すみません何のことでしょうか?王妃様」
「まぁ堅苦しいわ、アデルでいいのよ」
「はいはい、アデル。今日は何のお誘いなんだい。俺が忙しいことは分かっているだろう。それに少しは陛下のことも考えてくれよ」
「何を言っているの?私はいつだって陛下のことばかり考えているわ」
「はぁ~のろけ話はいいから早く要件を言ってくれ」
早くしてくれないと扉の外の陛下が心配だ。
幼馴染だからといって名前で呼ばれたりもするもんだからジークから嫉妬の目で見られていることも熟知している。
だからこそ、アデルとの接触は控えていたというのに……
「もうせっかちさんね、あのねルイ……好きなのです」
アデルはにっこり笑いながら爆弾発言をかましてきた。
ドンッ!!
背後の扉に何かぶつかった音がした。
「………はい?」
「だから、ルイのことが好きなの。もうどうしようもないくらいにあなたを愛してる…寝ても覚めてもあなたのことを考えてしまって、そう例えるならあなたという恋の鎖につながれた哀れな奴隷の私みたいな。」
「…気味悪い例え方ですね」
いやいやいやいやそんなところどうでもいいよ俺!!
いつもの冷静な俺なんか今はかなぐり捨てろ。
全力で否定しなければならない。
まだ死ぬわけにはいかない!!
やばい、後ろから殺気を感じる。
扉から聞こえるはずもないギシギシと不気味な音が聞こえてくる。
このままでは…殺されてしまう。
「どうか私の気持ちを受け入れてはくれませんの」
いつの間にか俺の正面に立っているアデルは俺を下から見つめてくる。
陛下に言えよ!そんなこと!!後ろにいるから……その時だった。
「アデル!!」
大きな声で王妃の名を叫びながら入ってきたのは陛下だった。扉はもう機能していない。
俺は修理費が必要だと頭の隅で浮かんで消えた。
「何を話していたアデル!」
「まぁ陛下どうされましたの?」
にっこり笑って陛下を受け入れるアデルに、
俺は恐怖さえ感じた。




