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12話♂ニャンニャン、ニャンコ

感想、評価ありがとう!気が付けば、読者数がとっくに1000を突破していました!びっくりです!


感想お待ちしております!

 現在、球技大会が終わり放課後である。

野球の結果は見事な惨敗、7回の裏10対0のコールド負けだった。

はあ、試合の結果なんて読者さんも俺自身もぶっちゃけどうでもいい。

俺たちが先ほどから気になっているもの、それは突然木から落ちてきた謎の少女のことである。彼女は一体誰だったのだろう?蓉子と知り合いらしいのだが………。ちなみに、蓉子は7回終了後のその少女を連れてそそくさと保険室へ行ってしまった。俺も今球技大会の片付けを終えたため、これから蓉子とその少女に会うべく保険室に向かっているところである。


 保険室に着くと、俺は扉を開けて中に入った。入って正面右に先生のテーブルと椅子、その横には薬品棚、正面左にはベッドが3つカーテンで仕切られながら並べられている。その一番左のカーテンを開けると、そこには眠る先ほどの少女を見守っている蓉子の姿があった。


「なあ、蓉子」


 俺は蓉子の隣に座りながら言った。


「……なんですか?」


 蓉子は少女から視線を外すことなく返事をする。


「彼女は………一体誰なんだ?」


「……この子は美晞。オタク&引きこもり更正委員会のメンバーです」


 なるほど、だから知っているわけだ。


「しかし、なぜこんな場所に?」


「おそらく……私の様子を見に来たのでしょう。本来なら、1ヶ月もあればオタクを更正出来ているはずなのに、私が委員会に一向に戻ってこないから…」


 なるほど、それならばなっとくがいくな。……ていうか、そういえばこいつそれが目的で俺のところに来たんじゃなかったのか!?


「じゃあ……お前は帰っちまうのか?」


「…………」


 答えようとはせず、唇を噛んで少女を見つめ続ける蓉子。俺もなんだが気まずくなったのでその少女を見ることにした。


 身長は160くらいで、なぜか忍者服。髪は銀色で少しボサボサなショートヘアである。また、瞳は二重で大きく(閉じたままなので正しくは言えんが)、鼻は小さめの形良しと言った感じだ。


「ん……うん!?」


 ガバッと起き上がる美晞。辺りをキョロキョロと見回し、視界に入った蓉子のことを見つめる。


「目……覚めました?」


 心配そうな声で問いかける蓉子。しかし、表情は至って真剣そのものである。


「う…うん。……あのさ、実は僕――」


「偵察に来たんですね。私の帰りが遅いから」


 途端、真剣になる美晞。蓉子の瞳をまっすぐに見つめあっている。


「うん、そうだよ」


「そうなん…ですか…」


 蓉子はようやく美晞との視線を外すと、そんな返事をしながら深いため息をついた。


「はい……。それで、経過はどうなの?」


「う〜ん、正直厳しいかな。まずはお互いを知らなきゃいけないし、人間の生活パターンを知るためにはその人と同じ生活を送らなければいけませんから」


「そうなんだ……んん!?ああ、なるほど!だから先ほども生徒の皆さんと野球をして交流を深めていたんだね!?」


 さあ、なんとも純粋な返答だぞ。どうするんだ?


「え〜うん、まぁ〜そんな感じですよ♪おほほほほほほ!」


 あぁ〜辛い!辛いぞ蓉子、さぁどうだ!?


「先輩、凄いよ♪」


 こいつバカだ!?蓉子の話を信じちゃってるよ!?


「それじゃあ一宏さん、美晞と自己紹介してください!」


 元気だなぁこいつ。ああ、戦力が増えて嬉しいからか。


「俺、冴木一宏。よろしくね!」


「うん、知ってるよ。私は石垣美晞!よろしく♪一宏お兄ちゃんって呼ぶね!」


 握手をする俺と美晞。ああ、お兄ちゃん。なんと美しい響きなのだろう。これを聞いているだけで、ご飯10杯はいけるだろう。


「それじゃあ、二人で頑張って一宏さんの中にあるオタクのオーラを浄化させてみせましょう!」


「はい!」


 こうして、物事はいとも簡単に運ばれていくのだった。




  《その後の会話》


「ところで美晞、こちらの住む場所はどうするのですか?」


 蓉子が不思議そうに人差し指を顎に当てながら言った。


「そんなの決まってるじゃない!一宏お兄ちゃんの家にすむの!」


「ああ、そうでしたね!忘れていました!」


「………俺の意見は無いのか?」

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