11話♂ああ……また新キャラ?
更新遅れてすみません(涙)
引き続き、評価ご感想等おまちしてま〜す!
――蓉子が来てから丁度1ヶ月が過ぎた頃。
最近学校にも毎日通っていて、大分クラスにも慣れてきた。まだ女子とは亜希くらいとしか話せないが、男子では隆之助や瑛を中心として大分仲良くなった。
突然だが、俺は今球技大会をやっている。
うちの学校は他の学校とは違って、1学期に行うのではなく2学期に行うちょっと不思議な学校なのだ。
ちなみに俺は男女混合野球に出場していて、ポジションはピッチャーだ。なぜ俺みたいなやつがこんなことをしているのかというと、それにはこんな理由がある。
その1、この球技大会では野球部員を2人まで(ちなみに1クラスに3人ほどうる)助っ人にいれることができるのだが、ピッチャーとして参加させることができないのだ。その2、俺はこう見えて中学生の頃は野球部でピッチャーだったから。まあ、実績は県大会ベスト8止まり。そして、その3、これが一番の理由だろう。『なんかいかちぃから』だそうだ。なんだそりゃ?
そして今は俺たちのクラスの攻撃。
6回の裏、0対6、バッターは9番ピッチャーで俺である。
正直にいってピンチだ。
相手のピッチャーは蓉子。
普通に考えてこの状態は有利なのだが、このピッチャーにはそんな常識は通用しない。なぜなら……この回まで150キロを上回る豪速球を投げ全て三振し、攻撃では6点の中の4点はホームランを打ってチームを導いている。やつは既に7回打席に立っているのだが、正直、やつを一度アウトに出来たのが俺自身かなり驚いている。おっと、こんな場合ではない。打席に早く立たなければ。
「おやっ!ようやく立ちましたね♪」
アハハハハ。随分嬉しそうに言ってくれるじゃないか。俺はさっきから膝がガクガク震えて涙が止まらないよ……
「それじゃあ一宏さん…行きますよー!」
身体を捻り始める蓉子。通常の選手ならすでに投げ始める位置まで捻ってもなお捻っていく。気が付けば完全に上半身が後ろに向いていた。間違いない。トルネード投法だ。そして――
ゴウゥゥゥゥゥン!…………ズドン!
「ストライーク!」
………これが蓉子の球です。その名も五光烈花。やつの投球を見ていると某野球マンガに出てくるバンダナをしたあの人が重なってくる。ていうか本当に女子か?
「フッフッフーン♪どうです一宏さん!この私の投球は?」
ああ、凄いよ。出来ることならばそそくさとベンチスタンドに戻りたいところだ。
2投目。今度は思い切ってバットを振ってみる。もちろん――
「ストライークツー!」
――である。当たり前だ、こんな球俺みたいな県大会止まりが打てるハズがない。
もう後がない。どうする!?
「審判!タイム!」
不意に、瑛が審判にタイムを呼びかけ、バッターボックス付近まで来る。
「一宏、耳を貸せ」
「ん?」
俺は瑛に言われた通り耳を瑛に向ける。
「いいか?わたしから言えるアドバイスはこれだけだ。………思いっきり振れ!」
アドバイスになってねぇぇぇぇぇ!!!???
そして暎はこれだけ言うと、またベンチスタンドに戻っていった。
「作戦タイムはこれで終わりですか?それじゃあ一宏さん!これで―――アウトです!」
またしても振り被る蓉子。どうする!?どうするよ!?
ええ〜い!!ここはもう捨て身でバントだ!!
俺は意を決してバントの構えを取った!
《その頃》
みなさん、初めまして♪僕はオタク&引きこもり更正委員会から来た石垣美晞っていいます♪美花ちゃんって呼んで下さいね♪ちなみに僕は猫の妖怪です!
突然ですが、僕は今清風高校の野球場のバッターボックスから10メートル近く後ろにある木の上にいます!理由は、いつになっても委員会に戻って来ない蓉子と、その以来人である冴木一宏の様子を見に来たからです。
見た感じ、二人とも明らかに高校生活をエンジョイしていますね。僕は仕事をしているのに蓉子は遊んでいるなんて大変ムカつきます!これは後で蓉子をお仕置きしなければなりませんね!!
「ストライークツー!」
蓉子が球を投げ、一宏が見事空振りをしたようだ。当たり前だ、彼女は人間ではないのだから身体能力は並外れているのだ。
そして、タイムをとって一宏と男子が話し合い、また試合が再会する。
「作戦タイムはこれで終わりですか?それじゃあ一宏さん!これで―――アウトです!」
そして、いよいよ三球目を投げた蓉子。そして後の無くなった一宏がとった行動は――バントだ!
ガキーン!
マグレか否か、見事バットに当たるボール。しかし、その球は前に飛ぶことはなく、凄まじい速度で後ろに――!?
《視点は戻り一宏視点》
やった!当たった!正直かなりの賭けだったから心配だったんだが、当たって良かった!………あれ!?球が前に飛んでない……まさか!後ろか!?
俺は急いで後ろを見る。俺の場所から少し後ろに木があるのだが、そこに向かって物凄い速さで飛んでいった。
ゴツン!
「いでっ!?」
ズデーン!!
球に当たって女の子が落ちてきたー!!??
「いってててててて…」
頭とお尻をさする少女。その姿をみて唖然とする一同。
「あなた………美晞!?」
ただ一人、蓉子の声だけがグランドの中心で聞こえるのであった。