10話♂ヤングジャ○プについて
さあさあ!今回も楽しく読んじゃってください!感想、評価ありがとうございます♪
それは唐突なことだった。
「ねえ一宏さん」
今は土曜日の夕方。俺の部屋にいた蓉子が、ふと、雑誌を読みながら話しかけてきた。
「なんだ?」
「なんでヤングジャ○プって……時々少年誌よりもエッチなシーンがあるのにヤングなんですか?」
……いや、なぜかって聞かれても(汗)
「う〜ん、俺にもわからないなぁ?ちょっと有機野菜さんにでも聞いてみるわ」
「ほんとですか?ありがとうございます♪」
さて、有機野菜さんとは久しぶりの会話だぞ。ちゃんと返事くれるかな?
カタカタカタカタ…
『ヤングジャ○プなどの雑誌は、なぜヤングがつくのでしょう?わかりますか?(汗)』
暫く更新ボタンを押していると、返事が書き込みしてあった。この掲示板では他の人からの返事もあるのだが、今は丁度良く有機野菜さんからだったようだ。
『う〜ん、私にもよくわかりません(汗)確かにエッチなシーンがあるのであればアダルトジャ○プにするべきだと思います。ヤングだと少年よりも幼い印象をもってしまいますからね(笑)』
『そうですか…』
『お力になれなくて申し訳ありません(汗)私も他の掲示板にカキコしてみますので、あらたに情報がありしだい連絡しますね(笑)』
『申し訳ないです、わざわざろくでもないことに巻き込んでしまって(涙)』
『いえいえ(笑)こちらとしてもひまつぶしになる良い機会ですよ』
『そうですか(汗)それじゃあよろしくお願いします♪』
さぁ〜て、他に誰か聞けるやついたっけなあぁ〜。
……とりあえず、瑛にでも聞いてみるか。
俺は携帯を手に取り、携帯を開く。待ち受け画面はすもも○もももだ。ぶっちゃけ○付けても意味なくね?
俺はアドレス帳から瑛の電話番号を見つけて電話をする。実は瑛、ああ見えて携帯をもっているのだ。なんでも、静音さんが買うときにプレゼントで買って貰ったんだとか。
トゥルルルル………
『もしもし』
「あ、もしもし。俺だよ俺」
『……おれおれ詐欺か?』
「違う」
『じゃあ……振り込めの方か?』
「それも違う!」
『知ってる』
こいつなんかムカつくな。つうか今さらおれおれ詐欺とかやってるやつそんなにいないし!犯罪だから!
「……ちょっと聞きたいことがある」
ようやく話の内容に触れることができる。
『なんだ?』
「あのな、ヤングジャ○プとかってなぜヤングがつくんだ?」
『ふむふむ…』
う〜ん、わかるかなぁ(汗)
『まず一つ聞きたいことがある』
「なんだ?」
『やんぐじゃ○ぷとはなんだ?子供が飛ぶのか?』
そこを考えてなかったぁぁぁぁ!!??そうだよこいつマンガ読まねぇんだよ!!
「……へんなこと聞いて悪かったな」
『いや、役に立てなくてすまんな』
瑛が心底残念そうに言った。
「いや、別に良いよ。じゃあな」
俺はため息をはきながら通話を切った。
「どう?わかった?」
雑誌を読んでいた蓉子が、興味津々といった感じで瞳を輝かせながら聞いてくる。
「いや、わからなかった」
「……そっか。残念…」
悲しそうに言いながら、蓉子は再びマンガを読み始めた。
さて、次は誰に電話をしようかな。他に聞けそうなやつは……ああ、亜希がいたな。
トゥルルルル………
『はいもしもし?』
「あ、悪い(汗)今暇かな?」
『……チッ……大丈夫ですよ♪』
今舌打ちしたぁぁぁぁ!!??
「え……本当に?」
『本当に♪』
じゃあ、あらためて。
「えっと……ヤングジャ○プとかのヤングって、なぜヤングなのかわかる?」
『う〜ん、私は基本的に少女マンガしか読まないからわかんないな。瑛くんには聞いてみた?』
「うん。そしたら『やんぐじゃ○ぷってなに?』って言われた(苦笑)」
『うふふふ、確かにそんな感じしますね』
「それじゃあ電話して悪かったな」
『ううん、またいつでも電話してね♪』
通話を切る。できることならもう電話は絶対にしたくないな。初級から舌打ちするとか怖すぎだし。
次は……真琴にするかな?真琴なら弟がいたきがしたから期待できるかな?
トゥルルルル………
『よう一宏!元気にしてるかい♪今日はまさか愛の告白!?待って!今はまだ心の準備が……』
こいつ妄想族にもほどがあるだろ!?
「ちゃうちゃう!お前確か弟がいたよな?」
『ああ、拓磨のこと?拓磨がどうかしたの?』
そういえば真琴の弟って拓磨って名前だったなぁ。俺ずっと篠崎弟って呼んでたからわからなかったよ。あいつは真琴に似てハイテンションだからなぁ。一番最初にあいつと会話した内容は『生まれて始めて両親のヤッているすがたを見た時の思春期の少年の心境について』だったから。ちなみに篠崎弟はうちらの1コ下だ。
「あのさ。ヤングジャ○プなどがなぜヤングとついているか分かるか?」
『う〜ん……うちは週間少年の方だからわかんないな』
「そうか。わざわざ悪かったな」
『ううん。こっちこそ役に立てなくてごめんね』
また電話を切る。いよいよ電話をするやつが減ってきたな。あと他には………ん?いたじゃん!一番適任な人が!
俺はアドレス帳からある人物に電話をかけた。
トゥルルルル………
『おっすかっちゃん♪どしたの?』
そのある人物とは、俺の中で最も濃い人物であるこの人だった。
「お久しぶり静音さん。相変わらず元気?」
『おうともさ♪エブリデイ元気だよ!それで、どうしたのさ?』
やっぱりこの人は元気だなぁ。今は駅前で一人暮らしをしながら有名な道場で働いてるんだっけか?確か静音さんはテコンドーの達人だった気がする。
「いえ、実はさっきからヤングジャ○プなどはなぜ最初にヤングがついてるのか気になってるんだけど…わかる?」
『うん、確信じゃないから難しいけど、それって単に週刊少年よりもグレードアップした感じがしてカッコ良いネーミングだからじゃない?』
そんな理由だったのか!? 案外簡単な結末だったな。
「ありがとうございます(汗)これで答えが出たよ」
『いやいや、あたしも役に立てて良かったよ。そうだ!こんどうちに遊びに来ない?久しぶりに格ゲー勝負しよ!』
ああ、そういえばここ何年か対戦してなかったな。よ〜し、今から特訓しなきゃな!!
「いいよ!じゃあ、後日連絡するね」
『おうよ。それじゃあ、またね〜ん』
俺は耳から受話器を外すと電話を切った。よし!これで答えが出たぞ!
「蓉子!ヤングジャ○プの答えが出たぞ!」
「え?なんですかそれ?」
「いや………なにそれって言われても…」
お前が聞けって言ったんじゃねぇかよ。
「ああ、あれですか。なんかもう飽きたんでどうでもいいですよ」
ああそうかい。つまり俺の努力と優しさは無駄だったわけだな。……いや、そうでもないか。ようやく静音さんが登場できたわけだからな。良かった良かった…のか?