帰宅
「ただいま」「おかえり」
妹の歓迎を受ける。
帰ってくるのは毎日10時を過ぎる俺をいつも待っていてくれる。ネトゲしながら
腹減ったな。今日に限って店はしまってた。
「お店。あいてなかっただろ?適当につくっておいたから食べろ」
「よく閉まってるってわかったな」
「兄貴の店の事ぐらい、アリンコでも分かる」
ははは。そうかい、所詮俺はその程度って事ね。とりあえず、いただきますともさ
ほう。グラタンか
適当にしてはいい感じじゃないか。容器はアルミだが......
妹の方をちらりとみると、ギロリと蛇もビックリの目力で凝視していた。それもちょっとずつまぶたが閉じてくる。眠いんじゃないな
「食わないから片付けるぞ」というような目だ。
食べるよ。食べますとも
冷凍食品は美味いがどこか寂しいな、愛情がこもっていないというか
うまいんだ。うまいんだよ?
「うまいか?」
「ああ」
ふっと不適な笑みを浮かべる。
ドヤ顔にも見え...ないか。
見えたところで、こいつが作ったんじゃないのがバレバレだ。
とりあえず完食。
「ごっそさん」
「さすが私だな」
「お前が作ったんじゃないだろ」
「私がチンしたんだ」
「誰でも一緒だとおもうぞ」
ビンタされた。なんで?理不尽すぎじゃない?
彼女とかだったらこういう反応されても不思議じゃないけど、妹だぞ?
普通の反応だったじゃないか。
まあ、この性格の女の子に言ったって結果は見え見えだけどな。
さてと、一応紹介しとくか。
こいつの名前は永奈「えいな」。中学3年だ
俺は言原律「ことはらりつ」、高校二年だ
特に他に紹介することもないな。
あるとすれば、
最近家にかかってくる無言電話ぐらいだ
何回か出たのだが、空気の音すら聞こえない
メッセージにも毎日残されていてかかってくる時間は大体午前0時だ。
警察にも連絡して連絡相手を調べて貰おうと考えたが、電話番号が00000-0000-00000
で存在しないものだった。
どこの誰が何の目的でかけてきているのか
気になって仕方がない。
というのが紹介することかな。
「風呂はいって早く死ね」
「死ねってなんだ死ねって」
お嬢さんがお呼びだ。