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一人称私

作者: サキスケ

 先日、告白された。

 世間的に見て、彼は格好いい部類に入る男だと思う。

 野性的で力強い印象がある男だ。

 ただ、残念ながら私の好みではなかった。


 私は、焦燥感のあるギターと萩原朔太郎を好み、煙草はピアニッシモを吸い、身長は普通くらいでやや痩せ型、鎖骨が非常に美しく、腰のくびれとうなじを中心とした後ろ姿がその辺りの女性より大層色気があり、紙パックに入った酒などは決して飲まず、唇が薄く、話し方が丁寧で、ふと自分の掌をじっとみやり、ベッドでは天井を見上げてぼうっとすることがあり、実はさみしがりであり、カーキのトレンチコートがとてもよく似合い、心地よい歌声を持っており、集団では無口だが二人のときはよく話し、ブラックのコーヒーを好み、よく食べ、手が大きく、予定がない日は一日隣で本を読み、移動は徒歩であり、私の話をよく聞いてくれ、ちなみにアドバイスはいらない、傘をよくなくし、展望台が好きで、水族館が好きで、夕日が好きであり、子供は苦手としており、普段はクールぶっているがディズニーランドに行くと破顔し、長財布を愛用し、ギターを弾きたいと思っているがエフコードに挫折し、甘い匂いがし、友達が少なく、だが長い付き合いの親友が何人かいる、そんな人が良かった。


「達也さん、何書いてるの?」

「あなたの特徴を挙げていました」

オマエ男だったのかよ、と突っ込んでいただけたら成功です。


短いものを書こうと思っていたら電車の中で考えつき、携帯ぴこぴこ打ってました。

それだけの遊びですが、真ん中の段は書いていてとても楽しかったです。

途中、髪に関する記述もあったのですが、女性らしい表現になっていたので

その箇所は削除しました。


難しい点としては、読み返してみると、設定とオチがわかっている自分には

どうしてもこの語り手を男性としか認識できない。

語られているのが女性としか思えない。


最初の四行がキモですが、途中誤読を助長するために入れた一文が、

「手が大きく」でした。

それで多少なりとも誤読の確率を上げられたならと思います。


以上、ありがとうございました。

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