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はじまり

「キンモクセイ好きなの?」


声のする方を向くと20歳前後の顔立ちの整ったちょっとタレ目の彼がいた。


「香りが好き。」


同い歳くらいのちょっとツリ目の美人な彼女。


「金木犀の甘い香りは人を狂わせる。」


「初めて聞いた。」


「そんな花を好きな君はとても愚かだ。」


「そう」


「でも────」


「君のこと好きになった。」


「俺と付き合ってよ。」


「いいよ。付き合っても。」


二人のはじまり


「え。いいの?ほんとに?」


「別にいいよ。」

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