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―序―
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はるか昔、この国には『陰陽寮』と呼ばれる国の組織があった。
優れた陰陽師たちが所属し、天文や暦、陰陽五行を用いて国の吉凶を占い、時にはこの世に蔓延る『鬼』や『怪異』といった、人ならざる悪鬼等を呪術で退ける業務を請け負っていた国家機関の一つだ。
しかし後の世になると〝陰陽道は迷信だ〟と断じられ、『陰陽寮』は廃止。くだんの機関に従事していた者たちは職を失い、事実上『陰陽師』は終焉を迎えることとなる。
そこで路頭に迷うことになったのが『五行六家』と呼ばれる、火賀家、水月家、木原家、金近家、土方家の五行家と――五行全てを操り、五行家の均衡を保つ星守家の六家。
――この物語は、『女陰陽師』としての立場確立を目指す一人の女子が、とある一人の青年(のちの帝)と出会い、時代に翻弄されながらも国の未来を暗に変えてゆく、星守をめぐる物語である。
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