表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

『私』は何色ですか

作者: 津城 龍桜

 もし、皆さんに『色』があるとしたら。

 自分は何色だと思いますか?


 きっと、人それぞれでしょう。

 好きな色、イメージカラー、似合う色。

 だけどそれって、本当に貴方の『色』ですか?




┈┈┈┈┈┈┈ ❁ ❁ ❁ ┈┈┈┈┈┈┈┈




 私には、色がありません。

 肌色も、着ている服の色も、髪の色も。

 だって私、幽霊なんです。

 居ても誰も気付いてくれないし、在宅の仕事だし、基本的にはネットの世界から出ることなんてありません。

 だから私は幽霊なんです。


 ただ、一人を除いては。


一葉(かずは)は可愛いよ。本当に」

「よく言うよね。親も誰も私に構いやしないのに」

「十年来の付き合いにもなれば、君の良さなんて沢山知ってるよ」

「はいはい。惚気はそこまで」


 この人は大和(やまと)さんです。

 学生時代からの付き合いで、唯一私のことを認識していると言っても過言では無い相手なんです。

 そして、私の彼氏でもあります。


「どうしてこんな私に構ってくれるのか分からない」


 昔、そうやって聞いたことがあります。

 そうしたら彼は、なんとこう返しました。


「君は昔とてもつらそうだったけど、今は明るい青色って感じなんだ。助けてあげたいと思っていたら、自分が助けられてしまった」

「……ふっ。何それ」


 そんなこんなで、ずっと私のそばにいてくれているのです。

 そういう彼は明るい朱色で、きっとみんなを笑顔にする力があるでしょう。

 私にはもったいない人です。


「僕は君と一緒にいたいと思ってるんだけど、もしかして嫌だったりする?」

「そんなわけないでしょ。嫌って言っても離すつもりないから」


 彼は私を、私は彼を。

 お互い大事にしているのです。

 この関係を崩さないためにも、青色の私でいようと思えるのです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ