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2. 過去の記憶 -下-

公爵様もといヴェールのお父様との回想です。


そんな感じで過去の出来事に思いを馳せていたら

つい先程まで忘れていた

私が女装をするきっかけになった出来事を思い出した。

確かあれは私が異世界に転生したと気づいたその日の出来事だった。


____________________



支度を終えた私は公爵様の元へ言った。


公爵様の部屋の前の扉をコンコン、コンコンと叩く。


確か前世では目上の人の部屋に入室するときは4回ノックをするのが

正しかったはずだ。

ちなみに4回ノックをする場合はコンコン、コンコンと2回に分けてノックをし、

3回ノックをする場合はコン、コン、コンとするのがマナーだったはずだ。


なんてしょうもないことを考えていると扉の向こうから


「ん?ヴェールか。入れ」


と公爵様の声が聞こえた。


「失礼します。お呼びと聞きこのヴェール、参上いたしました」


とりあえずこんなこと言えば大丈夫でしょうと思ったけれど

やっぱり心配になったので公爵様を見ると目を見張っていたので

ちょっと失敗してしまったかな?と思ってしまったのは仕方がないだろう。


というかこの世界に転生したとわかったときに

このヴェール君の5歳までの記憶が流れ込んできたけど

この公爵様に呼び出されたのはこれが初めてだったはずだから

公爵様が驚いて目を見張ってしまってもそれこそ仕方がないと思う。


うん、さすがの私だって自分の子が目をはなしたすきにこんなこと喋れるようになってるのは驚くぜ?

それも5歳で。


私の前世には子供いなかったけど…

いや、そもそも彼氏すらいなっかた気がするなぁ(遠い目)


「...ひとまずヴェールよ5歳の誕生日、おめでとう」

 

おおう、固まっていたと思ったら誕生日を祝ってくれたよ。

嬉しいなと思っていたのは束の間だった


「それでお前に報告だ。

 お前に弟ができた。

 名前はカーマイン・ボルドー・スカーレット。

 容姿は名前の通り鮮やかな赤い髪と暗い赤色の目をしている。

 まさにスカーレット公爵家にふさわしい色合いだ。

 …それに対しお前はなんだ?

 赤と正反対に近い鮮やかな緑の髪を持ち目の色は藤の花の色と同じウィスタリアだ。

 そんなお前にはこのスカーレット公爵家の跡取りとして向いていない。

 だからな,ヴェール

 お前には今日この日をもって女として生きろ。

 命令だ。わかったか?」


ゑ?

要約すると『お前よりも当主としてふさわしい弟が生まれたので長男のお前は煩わしい存在だから女として生きろ』とな。


めんどくさいな。お貴族様は。

女装かぁ。前世は女だったからなんとかなりそうだけど

だけど問題になりそうなのは成長につれて低くなる声だ。そして身長と体つきだ。

この3つをどうにかしないと成長したときに感のいい人に気づかれてしまう恐れがある。


とまぁ早く公爵様 ううん、父上に返事をしよう。

ええと公爵様じゃなくて父上の名前は確かファイアー・バーガンディー・スカーレットだったはず。


「承りました。お父様。このヴェール・ウィスタリア・スカーレット、

 今この時を持って女として生きましょう。

 してお父様、わたくしの名前は変えたほうがよろしいでしょうか?」


一応聞いておく。ヴェールもウィスタリアもどちらも男性でも女性でも大丈夫そうだけど。


「そのままで良い。

 もともとお前のことは他の貴族たちは知らないから

 カーマインの5歳の誕生日のときに箱入り娘として紹介することにする。

 よいな?」


「承りました」


なるほどね。たしかこの世界での貴族の子供のお披露目はだいたい5歳頃で

箱入り娘だから5歳のときはお披露目しませんでしたとね。


まあ5年もあればなんとかなるでしょ。

超ポジティブ思考を持つ私はそう考えると父上に頭を下げ、退室の挨拶をし、公爵様の部屋をあとにした。



__________________




いやぁあれからもう11年かぁ。

長いようで短かったなぁ。


ちなみに10歳のときの弟お披露目パーティーでは

頑張った。ちなみにどんなことに頑張ったのかというと

弟を立てて自分を下に下げたり弟のお世辞を言ったりして

我が公爵家の跡継ぎは素晴らしいことをアピールしまくった。


もちろんカーマインは普通の子供だから私の言ったこととは全く違うけどね。


どんな事を言っていたりするかというと『カーマインはとても優秀なのです。とても優しくてとても良い子なのです。そんな立派な弟を持ててわたくしは誇りに思いますわ』とか『カーマインはまだ5歳なのにこんなりっぱに役目を務めていますわ。なのにわたくしときたらお披露目会すらも開かずに・・・こんな姉を持ってカーマインが可愛そうですわ。わたくしもカーマインのように立派になってカーマインの姉にふさわしくなれるように日々精進しなければいけませんわ』とかだ。



頑張ったよ、私!



最後まで読んでくだされありがとうございます。

ちょっと混乱してしまうところがあったので公爵様=父上=お父様と考えてください。

分かりづらくてすみません。

次からは気をつけます。

次はこれからどうするかをヴェールが考えて行動する回になると思います。

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