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選ばれた戦士たち

 一次資料を「領布」しただけで、次々に沼に嵌る奴らを得て、編集部員にしたので笑いが止まらない良子。


 ファイアーエンブレムか、カブール一都市で持ち堪えていたような革命軍も、ナポレオンの国民軍みたいに士気が高すぎ、周辺国を次々に陥落させていた。


 て言うか~、壊滅状態?(モア殿)ネコちゃん三匹を貸し出していたので、巨大な聖獣が歩いて行っただけで全軍恐慌状態で潰走。


 足音を立てない猫でも地震が起こり、良子が連れ出された時は奉納の土俵入りをしてやると、地面は割れ山は崩壊して、巨大な音だけでどんな勇士でも力士でも耳を押さえてうずくまり、体を動かすこともできなくされ、目や鼻や口から汁を出すだけの生き物に加工された。


「圧倒的じゃないか、我が軍は」


 オールドタイプのヲタクなので、キレンザビごっこは止められない。


 もちろん本放送視聴組で、序盤を見逃して再放送の岡山放送を見ようとして、早朝にノイズだらけの白黒画面を見るような真似はせずに済んだ。



 最初の都市では革命を起こしてしまい、貴族は革命政府が全員吊るしてしまったが、革命軍がウザ過ぎる上、政治信条が違うだけで良子まで吊るそうとしたり、刺客を送り込んで来たので全員始末してやった。


 次の都市以降は誰が統治していようが構わず、アーブみたいに税金さえ納めていればよく、地上人?の事など構わない事にした。


 却って王族貴族の方が余裕があり、この世にBLの花を咲かせるには都合が良かったので王政を支持、逆に漫画を規制しようとする教会は全て始末した。


「菫の華、咲く頃」


 タカラヅカ沼に嵌めてやった連中は貴族の方が多く、帝国歌劇団?を結成して、厳しいレッスンに自分から合格して演じる者も多かったので「平民如きが」と言う、音楽学院独特のイジメを除去してやればどうにかなった。


 何処かの寺の娘がボスで、そいつの言う事を聞かない奴は虐めまくり、監視員まで付けて「貴方がいるから授業を受けられない」と退学までさせたのがステージに立っている。


 例の虐めレイプ事件を起こした黒木瞳の娘は、素行が悪すぎて評判なのか、音楽院に入学を許されなかった。らしい。



「良子様っ、決済をっ」


「良子様、この始末はどういたしましょうか?」


「良子様っ」


「ううむ……」


 さらに少年誌と少女誌の両方の領布に手が足りないので分裂することにして、来る同人誌時代に備え「とらのあな」の総帥でもある、パワーとスピードを兼ね備えた「キングタイガー良子」の分身を作成。


 マスクドレスラー?を作成するために、パンと暖かいミルクを保証する「ミズX」とか、マッスルリベンジャーを使う「良子マリポーザ」とか色々な良子を生産。


 タカラヅカ成分を請け負った「良子タカラヅカ」なども作成、武力が低かったので巨大化能力や、黄金聖闘士のような威力は無かったが量産された。


 良子本体は「BL良子」として、自由惑星同盟?の最も濃いエッセンスを受け継いで、動くシャーウッドの森として活動。BLの萌芽が芽生えてくるのを待った。



 他にも刑務所で過ごしていたような同志は、ガイジンさんも含めて全員救出してやり、娑婆で活動させた。


「ううっ、ありがとうっ、ありがとうっ」


「良いって事よ同志、その分はBL本を領布して貰うよ」


 単純所持だけで逮捕されてしまった女も、まるでレイプ犯のように「豆泥棒」として差別され、刑務官からも収監者からも不当な暴力を受けていたらしい。


 まあ全員死んだ扱いで、収監者を操作して「エル知ってるか? 林檎好きな死神の手は赤い」ぐらいの落書きを残してやって、デスノート捜査本部を立ち上げてやるぐらいの意趣返しもしてやった。


 各所にも「明日の為のその一」とかも領布?してやり、ジャブやストレートやアッパーの打ち方を送ったり、ビリビリに破けた手紙を見て「へへっ、こりゃあちょっとしたパズルだぜ」みたいな小細工もした。



 そしてその日はついに訪れた。


 深夜の編集部で、部員一人のラクガキではあったが、まるで発掘された手塚治虫先生の落書きのように、性癖丸出しで獣人が交尾しているような、男が男に盛っている書き込み。


「こ、これは……?」


 電話でも受け付けている間の落書きか「エイ、ロスケメ、イマトドメヲサシテヤル」の春画みたいな、日本兵がロスケに伸し掛かってバックから刺して?いるような、革命兵士が出先の王国兵士を凌辱している風景。


「ついに、ついにこの世にBLが目覚めた……」


 良子は泣いた。まるで萬屋金之助よろずやきんのすけの舞台で花岡青洲でも掛かっているように「儂の、儂の医が足りんかったんやあ~~、うわあああああ~~~っ!」と大声で泣いたように、声を出して子供のように泣いた。


「め、女神様~~~~~っ! うわあああっ~~っ!」


 今回もつのだじろう版空手バカ一代みたいに「吉川英治先生~~っ!」みたいに泣いた。


 やっぱり哭して動したが、つのだじろう先生の画風を真似て書くと、パーティー会場で大目玉を食らうのでできない。


「て、手塚〇虫先生~~~っ!」


 BLとは関係ないのだが、当時の「リボンの騎士」でジェンダーと性癖を破壊されたので、漫画の神様に向けても泣いた。



 少年誌を複数作成し、歴史通り領布して行き「ぼくら」の系統はぼくらとして、「ジャンプ持ってこい」の系統はジャンプとして発行。


 少女誌も複数発刊して領布。花ゆめは花ゆめとして、りぼんはりぼんとして発刊。


 珍しい所で松本零士先生の高速エスパーだとか、ゴルゴ13のさいとうたかを先生の超人バロム1,後にタツノコプロを立ち上げる吉田竜夫先生のピッカリビーなども掲載。


 科学忍者隊ガッチャマンとか破理拳ポリマーの系統の、暴力的な漫画ではなく、当時はギャグマンガを掲載していた吉田竜夫先生。



 そして少年誌にも毒を投入し、当時のPTAとかウーマンリブ活動の闘志が編集部に押し寄せた「ハレンチ学園」等も掲載。


 今では可愛らしいスカート捲りを題材にしたような漫画なのだが、編集王でエロを書かせる編集者みたいに大問題になり、最後に脳内オトモダチと仲直りして、円盤と宇宙人が迎えに来るようなエンディングは無い。


 永井豪先生は、作画時に鬼が憑いてみたりする憑依型の先生なので、手天童子やデビルマン以外にも、エロい神様が降臨してしまう巨匠なので、へんちんポコイダーやけっこう仮面なども描けてしまうので、エロ方面も充実。


 アシスタントとして永井プロに合格して、デビルマン級の作品の手伝いをできると張り切っていると、やる気が強すぎたので何故かポコイダーのアシに選ばれてしまった気の毒な人もいると言われる。



「こんな破廉恥な物を連載するなんてっ」


「教会はこのような物は許しませんぞっ」


「悔い改めなさいっ」


 予想通り編集部にババア(幸田未来的に)が押し寄せ、学校の教師だとか女性警察官だとか教会の神父だとか清潔な人物が押し寄せ、ハレンチな漫画の掲載取り消しを求めて殺到していた。


 私立極道高校しりつきわめみちこうこうみたいに実在の学校名を出したんだとか、ほぼ言い掛かりに近い因縁を付けられ、掲載終了を求められたが折れなかった。


「これは麦や米を売る時のオマケです、私共は関係しておりません」


 苦情は無視して責任の在りかも不確定にして逃げた。


 編集部まで設立して、ローカライズ作業までしているのにガン無視した。


「フフフ、予想通り」


 良子も「計画通り」みたいな悪い顔して苦情を受け付けなかった。



 瓦版でもめ事を報道して貰うだけで宣伝になり、米や麦もイオンで売っている物ぐらい真っ白で、クズ米とか砕米が混じっていなかったので飛ぶように売れた。


 アフリカで売っている米や麦みたいに、黄色い混じり物が多い、精米技術が低い世界だったので、従来製品を駆逐してしまった。


「良子様、本日も米業者から苦情が来ております」


「フッ、精米機でも売ってやれ、お前が混ぜ物ばかりでアサガオの種や石まで入れてある米を売ったのが悪いと言ってやれ」


 重量増の為に石をわざと混入させて、間違って食べると歯が折れるようなのが平気で流通しているので、魔法動力の精米機を売ってやった。


 麦の方も風車で粉に挽いてから売るので、コッチも重量増の為に石が混ぜてあり、間違って口に運ぶと歯が折れたので、製粉機を売ってやった。


 それでも商売にならないと、刺客を送り込んで来た所は全員処した。



 その後、編集部員の中でも適性がある、ぁゃしぃ連中は「とらのあな」部門に送り込まれ、上司のババア達から特濃のフィニッシュブローを放てるように調教?された。


「こ、これは男性同士で……」


「え、愛し合っている……?」


「いやあっ、汚らわしいっ」


 ベルばらでジェンダーも破壊済み、性癖も「ポー〇一族」等で破壊済みの選ばれた戦士達でも、即BL本を量産する事は出来なかった。


 まるで「おくりびと」みたいに奥さんからも受け入れられず、中国のような死のケガレを受け付けない所のように、葬儀屋や埋葬に関係する人物が蔑まれる如く、BLは受け入れられなかった。


 それでも何故か中国での映画の興行成績は良く「日本的な独特の価値観」「死と共に生きている国の様子」として受け入れられた。



 まず周囲が全部、暗愚な宗教観を持つ中世の世界ばかりなので、教会的に同性愛が推奨されていない。


 戦争も争いも無い統制された、THX1138かガリアンの銀河中央みたいな世界では、性行為まで倒錯行為として設定されている、監視社会でディストピアなので、BL本は流通を許されない。


 平面世界の住民全員に「ヤヲイ穴」を設置した女神なので腐っていて、男同士でも子供が作れるセカイ。


 プリズマイリヤのミミみたいに「男は男同士、女は女同士愛し合えばいいと思うの」と言い出して、BL的師匠である雀花からもドン引きされるような上級者が少ない。


 このセカイもまだ、BL坂を下り始めたばかりなのだから。



 セイバーマリオネットJの世界みたいに、女の遺伝子が枯渇していて男のクローンを増やす以外に人類を増やす方法が無く、大江戸風の惑星で男同士で結婚して、親友がダイスキな花形クンと主人公が結婚してクローンで子供を増やす所でないと、なかなか上手く行かない。


 特に男子便所の中で数百年放置され、用具置き場的な場所に置かれたロボのヒロインチェリーは、冬眠ドーム自体が黄色い汁で覆われていて、開く時も「ニチャア」となって臭気も酷く、ゴムパッキンなんかも長年持たないので中まで匂いで汚染されていて、海水浴場の便所みたいに水だけ流している所みたいに臭い。


 全員で「くっさあ~」となるヒロインで、男同士で愛し合う世界では女など見向きもされない。



 ここは一発、時のアイコンの井原西鶴が「同性愛サイコー、女犯カッコワルイ(仏教的に)さあ、みんなホモになろうよ(意訳)」とか言ってくれないと全員転向はムリ。


 寺社とか新選組とか閉鎖空間で男同士、恋の花が咲き誇る所でないとムリ。


 西郷隆盛と寺の僧侶が「この世で結ばれないのなら、せめて来世で」と心中するぐらい熱心なホモでないと無理。


 チュートリアル画面に出て来た商人の一団は汚染済みだったが、周辺の平面世界を丸ごとコピーして来たような、五分前創造世界の通常のNPCは汚染されていない。


 折角とらのあな部門に送った連中の中でも、特濃のフィニッシュブローの伝達を拒否した者が出てしまい「男と女が結婚して子供を作る」という宗教的縛りを拒否できなかった者が多く出てしまった。


「くうううっ、まさかここまで宗教的な縛りが強烈だったとは、不覚……」


 BLの萌芽が芽生えた所で、そのまま一斉に開花するかと思えたが、暗愚な中世世界では宗教的な拘束が強く、花を着けるまではいかなかった。



「BLの同志たちよ、この度もBLの花は咲かなかった。実を付けるかと思えたホモも、実を着けなかった」


 諸葛孔明も所詮は書生であった。暖かい南地の漢中から持って来た麦は、遠く北地に撒いても麦は穂を付けなかった。


 良子もまた書生であった。暖かい地球で芽生えたBLの種も、このクソ寒い中世世界では実を着けなかった。


 これが先進国タイなら、実写でBLドラマが放送されている。



「ううん、まさかあれほどの上級者がBLを拒絶するとは、あれだけの適性があったのなら、地球なら即仲間に引き込めた所を……」


 同志カテリーナ(ペンネーム)も、主人公側のヒロインがやってはいけない黒い表情で、BL沼にはめ損ねた同志?を惜しんでいた。


「最初から濃すぎたのでは?」


 他の同志からも意見が出され、局部のモザイクが少なすぎる問題とか、ノンケの男性を襲って「ぶっかけ」は無いだろうと、意見が続出した。


 一般紙でケツ花瓶して「金ちゃん、もう限界だよ」とか「花より花瓶の方が美しいとはな、ハッハッハ」は無いだろうと検討された。



「うむ、我らは特濃のBLに馴染み過ぎた、以降はもっとライトな層へ向けての出版領布としたい」


 と言う訳で、最初からオリジナルとか生ものは禁止、実在する王子×騎士団長とか右大臣×左大臣の政治家物も禁止。


 漫画の上でだけ存在する厩戸皇子×毛子えみし、大佐×チビッコ、トッシー×銀さん、塔矢×進藤、から開始して、描画(病臥?)もソフトに、エド×鎧の弟のような濃い目の描写は控えた。


 薄い本でも最初は碁会所の市川さんが相手だったのが、いつの間にか受け役が進藤に代わっているようなソフトな表現に。


 股間から見上げるような描写は控え、せいぜい横から見ている状況に、ヤヲイ穴の断面図を入れる程度で和姦。


 男性が困っている表情とか、赤ら顔でブチ込まれている所を表現する程度で、よがり顔はオッケーでも、アヘ顔ダブルピースは禁止など、交戦協定?を取り決めて行った。

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