一次資料配布開始
良子が来た反対側から、騎士団を伴って王家の連中は王都を捨てて逃げて行った。
他の貴族も巨大な聖女と聖獣には勝てないと、他の門から続々と逃げ出して行った。
無血革命の終了と王都が手に入った。
既に攻略対象の商人を通じ、麦や米の袋?を利用して、同人誌の一次資料である本や薄い本?を領布開始していたので、それをさらに増やすことにした。
女神像にはここを拠点とするように屋敷を貰っていたので、ちかひみつきちを利用して活動開始。
「女神様、漫画の神様である手塚治〇先生の資料配布の前に、過去に貸し本として日本中に出回った「赤本」と云う物や、黄金バットに代表されるような「紙芝居」をわたくしにお与え下さい」
良子が願うだけで、どこかから赤本一式と、紙芝居がプリントアウトされた。
全て何処かに散逸してしまい、国会図書館でも網羅していないような、クソマイナーな赤本や紙芝居まで出現して、全てが良子の手に入った。
「こ、これが……」
歴史的資料なのだが、収集家ですら持ちえない貴重品。それも擦り切れておらず、元の所有者が「ここで声を大きく」とか裏側に落書きもして居ない新品が領布?された。
玉石混合で落書きレベルのギャグマンガが多く、笑いのツボも外れているので、出して良い物か考えさせられる物も多かったが、一度は住民の目に触れさせる。
紙芝居の参考資料として、どのような口調で語るのか? 子供を集める時には飴玉などを売って集め、お菓子を買えない子供にも遠い所から鑑賞させる、焼け跡や空き地で語る独特のノウハウなどを撮影した、ドローンからの映像なども入手した。
「これが謎の円盤UFOの正体」
光の速度を超えて他の星系に至る技術がある場合、時間移動ができると言う意味で、太陽系を四次元的に利用することが出来る。
わざわざ他星系に戦争の元を捜し歩いたり、他の生命体を発見するために別の太陽系に移動するよりも、四次元生物として太陽系の隅々に至ったり、時間移動できる機械生命体として永遠の命を求める方が先なので、グレイとかラージノーズグレイとか、三メートル宇宙人なんかはおらず、全部過去未来の地球人が放ったドローンか、アンドロイドを地球人に似せて放った者。
四次元から深海探査艇を落とし込むような物なので、精度が悪く人体には似ていないかも知れない。
後になって人民解放軍?などと合流し、市民革命の成功を広場でアジってオルグって、置き去りにされた従業員なども一部吊るされたが、今回は平民のメイド程度は見逃された。
商人の連中とも合流し、麦や米の炊き出しと同時に「良子おばあちゃんの野菜ゴロゴロシチュー」なども領布され、碌に食べていなかった市民なども腹一杯食べた。
まずBLの萌芽を発生させるには、衣食足りている状況で、更に余暇があって同好の士も多くいて、競うように画力や同人誌のレベルを昇華させていかなければならない。
初期には落書きや写した絵に、バランスが悪い下半身を足すようなヘッタクソな絵も多く、玉石混合になるかも知れない。
まず最初の拠点で、良子は明日に向かって走るために哭して動した。
「手塚〇虫先生~~~っ!」
良子は空手バカ一代みたいに「吉川英治先生~~っ!」みたいな感じで泣いた。つのだじろう先生調でやると、ご本人から大目玉を食らうのでやってはいけない。
その手塚先生も、机の中からわざわざ発掘しないでいい物を出され、獣人同士が交尾しているような性癖丸出しのものが発掘されたんだとNHKのニュースで発表されてしまったり、メイドインアビスの先生が、ななっちとかロボの少年の乳首がビンビンの絵とか「少年の方が太腿が柔らかいんです」的な、出さんでもいい情報が出てきたりする。
ロリコンの宮崎駿監督と、ショタでモフモフのメイドインアビスの作者と、衆道とホモの田亀源五郎先生のスリーショットが並ぶ「よくばりセット」と呼ばれるヘンタイ御三家とか、四人目としてBLで汚染された世界を女神像に提出しようとしている良子。
まだBL坂を下り始めたばかりであった。
王都地獄変
王都での拠点、初仕事として手塚先生の本の領布と、各種赤本の配布から開始。
街中で活動させるため、人体ごとプリントアウトして、紙芝居も領布。
空き地などで子供は集める時「お話が好きな子は寄っといで~」などと、プリンセスチュチュのドロッセルマイヤーみたいな掛け声はするが、飴玉は無料、各種お菓子も無料。
黄金バットなどの紙芝居を見せるのも無料。
米や麦の袋を売るのに金はとるが、付属品?でオマケの漫画誌各種は無料配布。さらに競合商品より安い上に真っ白な麦の粉と米。
良子本人は政治になんか関わりたくなかったので、貴族制を維持、王政も認めた。
ラインハルト様の逆である。
漫画を見た事もない奴に「来るべき世界」なんか見せたもんだから、ガクガク震えながら見て、読了し終わったら夜中でも友人を叩き起こして見せた。
「見ろ~~~っ! コレを読め~~~っ!」
「んあ? なんなん、こんな夜中に」
まるでスリラーのミュージックビデオでも見た娘に叩き起こされて、父親にも見るように命令したのと同じ出来事が起こり続けた。
「続きは無いのかっ?」
「もっとこの続きをっ」
発行元として記入されていた所からこの拠点を割り出し、目の色が変わっていると言うか、目の焦点が合ってない、瞳孔開いちゃってる教信者の目をした人物が殺到して、次巻を要求されてしまった。
「ええ、ありますよ(ニヤリ)」
まず同好の士を増やすのに男性から。編集部員?なんかも結構増え、鉄腕アトムなどを出しても良いが、悪意から一部に「リボンの騎士」などを混ぜてやった。
読んだ奴らは全員ジェンダーを破壊され、性癖も破壊されてしまった。
男装の麗人じゃないと無理とか、三つ目が通るの和登さんみたいなボクっ子とか、ルーシェくんを支配しているヨーコさんみたいなのじゃないと立たないとか、フェラエロ同人誌を自作したシーラ姫まではオッケー?
ピヨピヨのエプロン付けてる未亡人下宿の管理人でないと出来なくされたとか、同時開始で企画物の未亡人下宿の「ぼっ〇もん」とか、兎に角全員ハンマーでぶん殴られてぐらいの衝撃を受けて壊れた。
麦や米の販売所で、別の冊子が挟まっていると即買いする人物が増え始め、転売ヤーとか全冊子を買い集めている商人とかも現われた。
「良子様、一部冊子にプレミア価格が付いております」
「うむ、予定通りだ」
売上表など見て、今度もヒロイン側の人間がしてはならない表情をして、悪の組織の大ボス的な表情で、ワイングラスでブドウジュースなどくゆらせながら、悪い顔して何事か企む。
既に王都を制圧した以外にも、ネコちゃんが出張させられて周辺都市も制圧完了。
どこかで捕らえた王子とか攻略対象にも「読め」と言って汚染。手塚作品とかトキワ荘の住人がいなければ生きられない体?にしてやった。
「変身っ、トウッ!」
空き地では子供達が仮面ライダーごっこを始めて怪我をしてみたり、二号の方はオートバイ免許を持っていなかったので、スタントもやっていた一号のようにバイクアクションができず、変身ポーズが受けたりもした。
宗教的に宜しくないと苦言を呈して来た教会は破滅させ、児童性愛などの罪で解体。
BL教を推し進め、BL神を信奉する一派を立ち上げた。
良子が触れた物は、ミダス王のように金になるがごとくカネになったが、そんな物は必要ない。
次第に周辺国までが汚染され続け、一次資料に続くBL汚染に震えよッ世界。
次第に少女漫画も配布が開始され、最初は軽い物から。
綿〇国星とか萩岩睦美先生の銀曜日〇おとぎばなしとか、最初は大丈夫なのから開始。空君の手紙とか「半ズボンがちょっとヤバいな?」と言うのも掲載された。
テニスとかバレーなんて競技誰も知らないのに、エース〇ねらえ、やらアタックN〇1とか掲載され、何故か競技が始まった。
次第に作画しただけの方面から著作権主張されてモメたキャン〇ィキャ〇ディとか、ヤバ目のも出し始め、満を持してついにベル〇イユのばらが連載開始。
ベルサイ〇のばらとかポー〇一族の連載が開始されると、すぐに発行元を突き止めて編集部に突撃してきた少女がいた。
「な、何なんですかこれはっ、何でこんな話がっ!」
最初は苦情を言いに来たのかと思ったが、顔を真っ赤にしている所からも、沼に嵌ってしまって救助を求めているようだった。
男として育てられた男装の麗人と従者の恋とか、男同士の恋愛にも似た友情で、ジェンダーも性癖もグチャグチャにされてしまった少女は、〇スカル様にKOIしてしまった自分に怒り、自分の新しい性癖を受け止められず、発行元に飛び込んでしまった。
まだ同人誌を書いて発散すると言う処理を知らず、もっと濃厚で重い物を見たことも無く、普通の商業誌で表の作品では満足できなくなったにも拘らず、そのエネルギーを放出できるフィニッシュブローを知らなかった。
ここでオーロラエクスキューションに匹敵する、特濃のBL同人誌を見せてやっても良かったが、いきなりでは脳も人格も破壊されてしまうので、まずは原作を最後まで見せて、性癖が壊れて新しい扉が開いてしまったのを確認させる。
「貴方には特別に、話の続きを見せてあげましょう」
「え? ええ……」
会議室に連れ込んで続きを出すと、残念ながらBL本を取らず、少女は原作の方を手に取った。
BL沼にはめる適性はないかも知れないが、タカラヅカ沼にはめてやれそうなので、他の少女や貴族の娘、大商人の娘などが苦情を言いに来た場合、最終巻まで見せてやってからタカラヅカの舞台を見せてやり、少女歌劇団を結成させる。
アニメ版なんかもある。
嵌った後は自分で歌って踊って演じるもよし、平民や俳優を雇って厳しい試験やレッスンを積ませ、バレエや声楽を極めた少女だけを採用して配役して演じさせ、王都に劇場を作って商業的にも成功させるのも良し。
「早く続きを見せなさいっ!」
「タカラヅカとは何ですのっ?」
ほどなく貴族の娘も釣れ、娘の少女漫画誌を見て母親まで釣れ、国母とか皇太后も釣れ、大商人の娘も一杯釣れたので、単行本最終巻まで読ませた後、タカラヅカ歌劇版も鑑賞させ、熱心な信者にはアニメ版も鑑賞させてやった。
キリスト教やイスラムほど厳しくなく、日本みたいにクリスマスをキリスト生誕の日とは知らず祝い、ケーキ食ってターキー売って無いのでチキン食って、ピザなんかも食ったり、家族で過ごす日なのに恋人同士でホテル予約する日になったりする場所。
正月には神社に行って参拝したり、葬式は仏教式で、結婚式は日本語ペラペラでもカタコトで喋る変なガイジンが神父になって挙げる。
二月には豆撒いて三月にはヒナまつり、中国式に端午の節句祝って、夏には盆踊りか花火大会。
イスラムでねぶた祭して怒られたのに「宗教行事とは思わなかった」とか、現在進行形でイスラム圏の東南アジアで盆踊りが開催されてしまうぐらいの場所。
過去にフィリピンで、トムとジェリーとかディ〇ニー、ハンナバーバラしか放送していなかった時代、日本で買い付けたロボアニメ「ボルテスファイブ」が放送され、放送時間には子供の姿が消えて、街頭テレビとかどこかの家にあるテレビの前に集結、子供達が日本語で堀江美都子が歌う主題歌を歌い始め、余りの視聴率に恐れた政府により放送禁止となる騒動が起こったのより酷い騒動になり、フランスでグレンダイザーが放送されたか、フィンランドでムーミンが放送されたか、オーソンウェルズが宇宙戦争の朗読劇をアメリカやメキシコでラジオ放送してしまったぐらいのパニックになった。
全員ハンカチを噛んで「キーーッ」とやって耐え、画格が4:3のアナログテレビ版でも大受け、涼風真世バージョンを見せると失神するものが続出して、医務室が死屍累々の大変なことになった。
単行本まで凄まじい勢いで売れ、歌劇は劇場で毎日大盛況、こちらから指示する必要も無く自然発生的に少女歌劇団が結成され、女性は舞台に立てないとか舞台に上がるのは禁止と言う規制は、国母が一瞬で廃止させた。
次第に女子編集部員が増えて来て、初版は意味不明だった舞台設定も、ローカライズされてみたり、バレーとテニスはルールが公開されたり改定されたり、編集部員の仕事が増えて行った。
BLが萌芽を発するまで後わずか。
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