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竜払い  作者: サカモト


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第九章 竜払いの伝説 前編(1)


 

 大陸唯一の都はいま、竜の群れに囲まれているらしい。リスとフリントから、まずいちばん大きなことを教えられた。

 もちろん、島へ逃げてきた人を村へ招き入れるのが先だった。だから、リスとフリントからも、あくまでも話は手短だった。

 七日前、リスとヘルプセルフは物資の調達と、島にある竜の骨の買い手を探しに都まで向かった。勝手知らぬ土地とはいえ、リスは商売人でもあり、二日も都を探れば、買い手の目途もついたという。

 そして、三日前。突然、竜の群れが都を囲った。リスは「たぶん、この大陸すべてに近い竜の数だって、地元の竜払いが言ってた。百匹以上いたよ」とそういった。そして「白い竜が群れを率いてた」そうも言い切った。

 都は混乱状態に陥った。けれど、竜に囲まれ、都の外に逃げる場所はない。だから、みんな船にのって海へ出ようとした。すると、数十匹の竜が停泊していた船を炎で焼いて沈めた。そこでフリントが言った。「私の船は都にはなかったからね、燃やされずにすんだ」

「友人に感謝」リスがそう発言を添えた。

 やがて群れのなかから竜たち飛び立ち、都部分以外の大陸を無差別に焼いた。

 邪悪なのはここからだった。竜たちは都を囲ったが、完全には囲わなかった。人間が都へ逃げ込める穴が意図的に用意されていた。竜に土地を焼かれはじめると、大陸中の人々は竜の脅威から逃れるため、その進路をとらざるをえないように仕向けた。そして、次々に、都へ人が逃げ込んで来た。

 仕組んだのは、おそらく、白い竜。

「たぶん、いま都は大陸中から逃げて来た人でいっぱい」

 リスは漠然とした表現に留めた。

 逃げ場はなく、外からも入れず、となると、長引けば資源の枯渇は免れない。まるで人間がすることだった。

 でも、よくそんな状況でリスたちは都から脱出できたな。そう考えていることを見抜くように、リスがいった。

「あたしたちは竜から逃げたんじゃない、人間から逃げてた、だから偶然、ここまで逃げ切れた」

 あきれたような口調だった。そして、その態度の理由があかす。

「こいつとホーキング、地元の竜払いたちに捕まってやんのよ、わざわざ冤罪まで用意されて捕らえられて」苛立ちも露わにする。さらに「ったく、しょうもない」と、吐き捨てる。

 フリントを見る「いやはや」と首を左右に振った。「調子にのって、油断したよ」

「だから、あたしとヘルプセルフで助けに行ったの、おかげで、竜の骨の取引はなくなるし、追いかけられるから逃げることになったし、それでヘルプセルフは怪我するし。とにかく都を出て、こいつの船が隠してある場所まで行ったの、そしたら白い竜が群れを連れて来たのが見えた。で、近くに逃げれる人たちもがいたから、こうなりゃあ、えいやあ、って一緒に乗せて島まで船で来た。つか、船で来るのもかなりしんどかった。あれはたしかに、とんでもない海よ、ここまでたどり着けたのが奇跡的ね」

 そう、大陸に添ってこの島ままで船でやってこなかった理由は、危険な海域という理由だった。リスたちは、逃げるため、そこをやもえず通って来たらしい。

「で、さっきも教えたけど、ホーキングは残った」

 その時のことを思い出してか、リスは表情に影を落とした。

「あいつ、白い竜をみちゃったからね。だから、船にはのれなかった」

 引き留める術はなかった。リスはそうも言いたげだった。


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