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第七章 ある、限りは(1)
ビットたちが乗っていた船は沈められしまったが、詰んでいた物資のいくつかは、海面に浮いていたので回収することができた。
中には、海水に濃く浸かってしまったことで駄目になってしまったものもあったけど無事なものもあった。
使えそうなものを背負う。黙々と身体を動かしていると、あまり考えなくて済んだ。
単純作業が一時的な心の救済措置と化していた。
「姉さん、準備がおわったら、すぐ出発するからさ、ここでまっててね」
ビットは荷物の回収をしながら、何度も現場の近くに座らせていた彼女の元へ戻って、声をかけた。彼女は食べ物を口にする気力はなかったが、水は少しだけ飲むことはできた。まるで放心状態で、おれたちが荷物を回収する様子を見ていた。




