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おわりに

〇おわりに


「助かった」

「神様、ありがとうございます」

「どうにかなるものなんだね」



〈あー、疲れた〉


 わたしは同僚に愚痴をこぼした。

 同僚は「お疲れ」と事務的に応えた。

 わたしは天界に戻っても、事務的に見続けた。特に興味があるわけでもないが、仕事だから見ていた。これだから仕事は嫌である。

 幹部を倒した後の彼ら状況も流しで見ていた。幹部がやられたことによって、部下の雑魚モンスターたちは逃げていった。コオを始め多くの人が怪我をしたが、あの世界では死なない限りは大体の怪我は治るらしい。コオも時間はかかるが、大丈夫らしい。後遺症もない見通しだ。

 街も復興していく算段であり、ギルドも稼働している。

 コオの知り合いも無事であり、自分の仕事を早くも始めている者もいる。あるものは3人で修行、あるものは店で商売、あるものは件でモンスター退治。

 魔王軍も幹部がやられたことによって、何かしらの動きがあるとかないとか。

 そして、そういう動向とは関係なく、コオの病室に毎日お見舞いに行く者もいる。

 要するに、これからも彼らにはそれぞれの人生があるということだ。退屈な物語だったが、ここから解放されたのは一時的とはいえ徒労感を忘れることができて嬉しいものだった。


 ……


「――報告書を見たぞ」


 わたしは上司に呼ばれた。


「ご苦労だった。大変だったな」


 どうやらわたしは、首を免れたらしい。明日からの衣食住に困る必要が無くなったらしい。助かった。


「ところで、気になったところがあるのだが」

〈何でしょうか?〉

「君、飲み物を人間に奢ってもらったよね?」

〈え? はあ、まあ〉

「困るんだよね、そういうふうに人間に恩を作るのは」

〈はあ。そうですか〉

「それに君、自殺は止めたけど、助けたってほどのことはしていないよね。むしろ、苦しめているし」

〈え? そうですか? はあ〉

あれ? なんだか雲行きがおかしくなってきたぞ。

「君、今回の件は成果があったとは言えないな。もう1度、助けに行きなさい」

〈……ええーー! そ、そんなーー!〉

「これは命令だ。クビになりたくなかったら。きちんと仕事をするように」

〈そりゃないよー〉


 私の人生は魔法のように便利なものではなかったようだ。


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