表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/29

4-1;街に戻るかな


 2人は旅を始めたばかりだ。

 2人はいきなり魔王の幹部を倒した。

 2人はその勢いのまま進んでいった。

 2人は街に戻っていき、ギルドの受付に進んでいた。理由は、モンスター退治の報酬や敵が落としたアイテムの換金だ。


「どうしてだ!」


 怒鳴る声が聞こえる。コオだ。どうしたのだろうか?


「どうしてお金にならないんだ!」

「ですから、幹部撃破のクエストはなかったんですよ」

「でも、倒したんですよ。そこはなんとか」

「そう言われても規則ですし。それに、倒した証拠がないでしょ?」

「そ、それは」

「クリズリーと同じように、冒険者カードに討伐数が記録されていたらいいんですけど」

「これ、すごくハイテクですよね」

「まあ、ハイテクという言葉を使う時代よりは」

「うっ」


 コオは恥ずかしさを噛み締めて、受付から離れていった。

 ギルドの外。レンガの壁が圧迫する。


「結局クリズリー3体分の報酬と、クリズリーの毛皮だけか」

「いいじゃない。命あっただけでも」

「それはそうだけどさ、俺には借金があるんだよ。そのうち社会的に殺されそうだよ」

「ははは……」


 コオの発言にナオは苦笑い。お金のことはナオの魔法でもどうしようもない。


「せっかく魔王の幹部を倒したのにだよ? 世界のために戦ったのにだよ? それなのに報酬がないとか。しかも、防具とか整えることを考えたらマイナスだよ」

「そうだけど、それでみんなが幸せになれば……」

「なったところでどうするんだ!」


 コオは壁を叩いた。物に当たるくらい切羽詰っていた。


「……」

「みんな自分のことしか考えていない」

「……」

「……」

「……いいじゃない」


 ナオはぶっきらぼうに言った。それはコオには予想外の理解できない言葉だった。


「はっ? なんて?」

「別にいいじゃない。自分のことだけで」

「お前、本当にそんなことを?」

「そうよ。だって、私もそうだもの。私はあなたと旅をしたいだけ。魔王討伐とかどうでもいいの。だから、あなたも自分のために、自分のことだけを考えたらいいの」

「お前、そんなことを考えていたのか」

「そうよ。だから、あなたも自分のことだけを考えて。お金儲け、みんなから尊敬される、モテモテになる、なんでもいいのよ。あっ、モテモテはやめてほしいわ、うふふふ。とにかく、自分のことだけ考えて」


 コオはナオの助言を聞いていた。他人のことではなく、自分のことだけを考えると……


「当分は、借金を全額返済することだけど、いけるかな?」

「大丈夫よ。あなた、商人でしょ? それに私がついている」

「でも、宿代とか医療費とか考えたら、返済どころか砂金が増えるばかりだよ」

「じゃあ、アイテムを高く売ったり、商人の力の見せ所ね」


 ナオはコオにガッツポーズを見せて励ました。コオはそのたくましい笑顔が見せる姿に救われた。


「そうだな、商人の力でアイテムを高く売って、ボロ儲けだ!」


〈コオはテンションが上がった〉



〈コオはテンションが下がった〉


 がっくりとうなだれるコオをナオはなだめていた。先ほどのテンションはどこに?


「まあまあ、普通よりは高く売れたんじゃないの?」

「それでも、少ないよ。1食分くらいだよ」

「うーん、あ、そうだ。何か飲み物買ってくるね。何が欲しい?」

「なんでも」


 はぁー、とため息をつくコオはナオを見送ることもしなかった。どうしよう?と悩むコオだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ