表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
交彩アイソーン  作者: 矢口間也(やぐち まや)
5/23

第5話 今後の方針

「さてさて、どーすっかなァ。」

「この国がわたしたちを呼び出したってわけじゃなさそうだね。」

「だなァ、嘘はついてなさそうだし、こっちに深く踏み込んでも来ねェ。その辺に問題はねェよ、問題はこの後だ。」

「国にどうやって帰るかってこと?帰ってもし作戦が失敗してたらわたしたち最悪処分されちゃうよ、処分は免れても作戦放棄した臆病者とか後ろ指指されるよ。」

「だろうな。」



作戦放棄に逃亡なんて決めつけられて処分されるのが目に浮かぶ、上官は頭硬いからなぁ。戻るなんて夢物語だ、俺たちはここで生きていくしか道はない。



「俺は退役する、軍には戻らない。」

「ならわたしも相棒だから一緒に退役する。」

「紫ってホント話のわかる女な。」

「……都合のいい女?」

「言ってねーだろォそんなこと!?」



たまーーーにだけどボケるんだよなコイツ、二人ならまだいいが他に人がいる中でこのボケをやられると空気が凍るんだよなあ(経験済)。



「じゃあ明日からどうする?」

「……俺の退役後の計画があったんだけどな、それをやろうと思う。」

「教えて。」

「世界中の美味いモン食って、露天風呂で星空を満喫して、世界遺産を巡る旅行。」

「いいね、最高。一緒に行こ。…世界遺産がこの世界にあるかはわからないけど。」

「なら世界遺産は保留でこの世界、俺たちにとっては異世界になるのか。美食と温泉を巡る異世界旅行だな。」

「うん!」



今後の方針が決まった、しばらくして女給が呼びに来たので食事をごちそうになる、軍用食(レーション)と大差ない味がした。文句はないが戦時中でも貴族は良い食事をとるものだと思っていたのでちょっと不思議だった。





★★★★★★★★★★★★★





早朝四時、与えられた客室で俺と紫は同時に目覚める。体に染み付いた習慣は異世界でもしっかり機能している。



万能端末(マルチターミナル)体調診断(セルフチェック)開始。」



起床後すぐに体調診断、もし異常があればこの後の結果表示が赤で表示されるが…青だった。問題なし、一応目を通す。



アオイ(蒼) 17才 男 Lv871 改造人間 状態:健康体

スキル

飢餓渇望、修羅の眼、修羅の纏気

武術の素養、魔術の素養

装備

純真野太刀『無垢』 (破壊不可 共成長)

魔白銃『懺廻』 (破壊不可、共成長)

万能端末

次元収納:着替え一式、飲食料、サバイバルキット、メディカルキット、金貨3000枚



……表示がおかしい、いつもなら



(あおい) 17才 男

身体・精神 異常無し

血液・脳波 異常無し

装備所持品 破損無し



こんな表示になるはずなんだが、追加表示というか詳細表示みたいになってんな、Lvとかスキルってのはよくわからんが。



「紫、体調診断の表示おかしくねーか?」



隣のベッドに座っている紫に声をかけると無言で結果を見せてきた。



ユカリ(紫) 17才 女 Lv809 改造人間 状態:健康体

スキル

総穿一心、夜叉の眼、夜叉の纏気

武術の素養、魔術の素養

装備

真斬短刀『幽谷』(破壊不可、共成長)

魔黒銃『廻天』 (破壊不可、共成長)

万能端末

次元収納:着替え一式、飲食料、サバイバルキット、メディカルキット



紫の表示も俺と同じような表示だった。万能端末は問題なく動いてる、表示だけがおかしいのか?…自己学習最適化機能が異世界にも通用したのか?…まさかとは思うが全否定はできねーな。通信と地図はダメだったが。



「蒼のもこんな感じ?」

「あァ、ほら。」



自分の結果を紫に見せる、すこし眉根を寄せる。



「どしたァ?」

「わたしの方がちょっとLv(レベル)が低い。」

「まず俺のレベルってどーゆーことよ?仮想訓練の難易度ってことならレベルって言葉もわかるがよ。」

「…多分だけど個人での戦闘能力とか運動機能の優秀さじゃない?わたしは一人だと最難の仮想訓練連続行動時間89時間だけど蒼は105時間でしょ?そういうのじゃない?」

「なるほどな、簡単に言うと個人の戦闘力ね。」

「うん、…わかってたけど悔しい。」

「相棒の強さを喜べよォ。」

「相棒だけど切磋琢磨するライバルでもありたい。」



と言って力強い目で真っ直ぐ俺を見てくる、いいなぁこの目、イケメンだわ。



「うしっ、軽くストレッチするかァ!」

「うん。」



他人の家なので煩くならず、ゆっくりとした運動を始めた。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ