第15話 海底遺跡
朝六時、太陽はすっかり昇り雲一つない晴天、心地よい風。そんな最高のおでかけ日和、俺と紫は海底散歩をしていた。
「海上だと目印がないから発見場所なんてかなりアバウトになるのも仕方ないわね。」
「まァな、でもそろそろ見えてくンだろ?」
海底遺跡を見つけたという漁師を朝一で捕まえて場所を聞き、そのまま海に潜り沖まで歩いてきた。マップだと現在地はルルディエルから2kmほどの沖合い、漁師のおっさんの言い方だともう少し先の気がする。
「それにしても海の中も変わってるのね、泳ぐカニ、十本足のタコ、一番変なのはアレだけど。」
「あァ、アレな。」
俺たちの視線の先には猫がいる、海の中に猫。足に水掻き、尻尾にヒレがついてる以外は完全に猫。水中を優雅に犬かき?で泳いでいる。立ち止まって猫を見送る。
「まァ、もしかしたら猫好きにはたまらんのかもな?」
「わたしは犬派。」
「俺も犬派。」
「…行くか。」
「ん。」
★★★★★★★★★★★★★
それから一時間後、沖合い2.5kmの海底に遺跡らしき建造物を見つけた。海草がたくさん生え、魚の住処になっているようだ。かなり深いところにあり普通に潜っての調査は無理だろう。
「さて、入り口はーっと…、ここか。」
扉などはなく通路が口を開け奥に続いている。中を進み調べていくと……特に何もなかった。石造りの二階建て、遺物もなければ壁画もない。ここは外れだなぁと思っていたら。
「蒼、階段あったよ。地下に降りれる。」
紫が崩れた岩に埋まっていた階段を見つけた。撤去を終え通れるようにしてくれている。
「おっ、ナイスだ紫!」
「ふふん。」
階段を降り一本道を進んでいくと大きな扉があった。金属みたいだが全然錆びていない。両開きなので二人で引き開ける。扉の先はまだ通路になっていたが扉を境にして空気の壁があった。空気は海水側へは出てこず拮抗を保っている。
空気の壁を越えると水は無く、しっかりと地上と変わらない空気があった。壁、床、天井全てが淡く発光しており見通しもかなりいい。エアカプセルを解除する。
「大丈夫そうだなァ、上の遺跡はダミーでここからが本物の遺跡かァ?」
「空気あるのはこの世界の魔術かな?でも海底にあるから行けないってギルドの職員が言ってたけど、これが魔術なら来れるんじゃないの?」
「さァな、この街にいないだけで連絡した王都には使える奴がいるんじゃねェか?」
「んー、一旦保留で。……蒼。」
「ん?…あァ、なるほどねェ。」
通路の先からこちらに向かってくる気配が四つ、俺と紫は魔銃を構え、待つ。現れたのは四足歩行のデカイ魚の魔物だった。動きは意外と早い。
名無し(マリンウルフ種) Lv95 状態:健康
スキル
水魔法
チェックすると少し驚く、レベルがかなり高い。それも四匹。ラムゼイのダンジョンマスターこの四匹に負けんじゃねェかと思う。
「「収束射出」」
ィィンッ!!
射撃でまず二匹を潰す、残り二匹。
「「ギゲルゥノヲンフワテュスッサ!!」」
「!!」
二匹が変な鳴き声を発すると背後にアイスランスが出現し打ち出してきた。
「ちょっとビックリしたぜェ!!」
ィィンッ!!
魔銃を連射しアイスランスを砕き二匹も撃ち抜く。周囲を確認し息を吐く。
「なるほどねェ、遺跡はダミーでダンジョンが本命ってわけだ。しかも前のトコとはレベルが違ェ。魔術……ってかスキルの水魔法か、使ってきたな。」
「そうね、どうする?進む?戻る?遺跡を見に来たんでしょ、ダンジョンはいらないんじゃない?」
「愚問だな紫、俺が帰ると思うか?」
「いいえ蒼、進むでしょ?わかってる。」
「よし、ここからは戦闘だ。周囲警戒、進むぞ。」
「了解。」
「……。」
「蒼?どうしたの?」
「…また三泊もしちまったらまた宿代ムダになっちまうなァと思ってな。」
「それ以上に稼げばいいじゃない、もう。」
俺たちはおそらく未発見であろう海底ダンジョンを進んでいった。




