第10話 ダンジョン未踏破区域
直感スキル持ちのスケルトンにはB10F以降会わず、ひたすら会敵したアラネアを別段苦労もせず屠りB18Fにたどり着いた。
「さァて、ここからが未知の階層かァ。…てかこのダンジョンB100Fまであります!なんてオチだったら今すぐ出るんだけどなァ。」
「別にゴールまで行かなきゃいけないことはないんだし飽きたら出たらいいんじゃない?」
「それはそれで癪なんだよなァ。ま、いけるトコまで行こうか。」
「ええ、気を抜かないでね。」
「了解。」
B18Fを歩き進むと大型のネズミを巨大なムカデが補食している場面に出くわした。スルーしたいがムカデの身体が通路をガッツリ塞いでいるのでどうしようもない、食べ終わるのを待ったらいくら時間がかかるかわからないので駆除一択だった。
名無し(スコロペンドラ種) Lv51 状態:健康
スキル
毒生成(麻痺・出血・溶解)
剛力
名無し(オオネズミ種) Lv37 状態:瀕死
スキル
なし
「見たか紫?」
「ええ、強いわね。最高到達点がB17FだったのはB18Fの魔物に勝てなかった可能性が強くなったね。」
「だが直感スキルもなし、おまけに食事中。狙うなら今だな。」
「了解。」
魔素を練り上げ掌に集める。スコロペンドラが気付いた様子はない。
「「瞬雷」」
お互いの掌から雷が放たれスコロペンドラの頭を捉える。瞬間、スコロペンドラの頭が爆ぜた。沢山の足はピクピク痙攣していたが10秒もすれば動かなくなって絶命した。おまけでオオネズミにも誘電しトドメを刺していた。
「Lv50の魔物は問題なし、やはり脅威になり得るのはスキルだな。新しい魔物も出始めたしデータを集めながら進もう。」
「了解。」
二匹の死骸から魔石を取り出し死骸と一緒に次元収納に放り込む。万能端末が自動で解析し情報を取り込み学習する。この階層ではオオネズミが主でスコロペンドラが稀のようでここからはひたすらオオネズミ狩りをしながら進んでいった。
★★★★★★★★★★★★★
オオネズミとスコロペンドラを屠りながら進み現在B25F。徐々にレベルも上がっていきB24FではオオネズミLv78、スコロペンドラLv89を確認した。が、ボルテッカーで一撃だった。
「さてここがゴールかな?」
「どうだろ?今までには無いパターンだけど。」
B25Fに降りてきた目の前には大きな扉があった。周りには何もなく扉を開けるしかなさそうだ。
「行く?」
「いや、休憩にしよう。魔物もいないし時間はもう夜中だ、先に休め。」
「了解。」
お互い三時間ずつ睡眠を取り朝を迎える、まあ洞窟の中なので真っ暗なのだが。改めて扉の前に立つ。
「さて、行くか。」
「ええ。」
二人で押し両開きに扉を開け中に入る。これまでの自然にできた洞窟ではなく綺麗に整えられた床、壁、天井でできた部屋…の天井と壁の隅に大きな影がいた。
ダンジョンマスター(固有種) Lv101 状態:健康
スキル
毒生成(麻痺・溶解)
剛力
直感
硬化
ここで初のレベル3桁超えに多数のスキル、明らかにこれまでとは別格だが見た目も強烈だ。クモやムカデもなかなかだったが。
異様に細く長い多数の脚、節に分かれた体の背面にある気門、大きい複眼に凶悪な顎。…見た目は完全に巨大なゲジだった。
「…一番見た目キチィ。」
「…同感、気を抜かないで。直感持ってる。」
「あァ、わかってる。魔術だとバレるだろうからな、次はこれを試す。」
俺は魔白銃『懺廻』を構え魔素を充填する。巨大ゲジはこちらに気付いた様子はない。…紫に目で合図を送る。紫は頷き魔術発動のため、魔素を練り上げる。
「!!」
シュコーッと気門から大量の空気を吐き出し巨大ゲジはこちらに向かって走り出した。
「ボルテッカー」
紫の魔術が真っ直ぐ向かってきた巨大ゲジの頭を抉る、だがそれを意に介さず突っ込んでくる。続けて俺が懺廻を撃つ。青白い光が左側の脚を全て消失させ巨大ゲジは転倒しのたうち回る。
「頭抉れてんのに怯みもしなかったな、さすがは虫、気持ちわりィ。」
「ムカデより威力上げたのにこのダメージってことは硬化スキルのせいだよね多分。…危なかった。」
「どの世界でも虫の生命力は強いもんだな、ゴキブリなんか出てきた日にゃどうなるか…考えたくもねェ。」
「その時は加減抜き、全力で仕留めにかかろうね、ね!」
「んぉ、おう。」
やっぱ紫もゴキブリは気持ち悪いのか、ここまで顔色変えねえから虫は大丈夫なのかと思ってたがダメみたいだな。十数秒後、巨大ゲジは地に伏し絶命した。魔石と死骸を回収し先へ進む。




