第7話 『生への執着』
修太が焦吉の部屋に突入前に話された計画。
数分前の出来事だった。
修太「さ、俺の手助けってのはよぉ。お前が確実に助かる方法だ。」
和也「…!俺が助かる方法…!」
修太「あぁ、そうさ。」
修太と和也。
2人きりになったこの部屋では、最悪な計画が企てられようとしていた。
和也「教えてくれよ!!俺死にたくない!!」
和也は王様の『奴隷』に選ばれた。
命令では、『5番は7番を殺せ。』単純な内容だった。
だが、行わなければ王様に処刑される。
和也は『5番』の数字が送られていた。
自分が他人のために犠牲になるか、
生き残るために他人を殺すのか、必ず一人は死ぬ。
そんな理不尽なゲームだった。
躊躇すれば自分が死ぬ。
躊躇しなければ生き残れる。
修太「言ったろ?ターゲットはどっちか。ならよ、どっちも殺せばいいと思うんだぜぇ。」
和也「そんな…!犠牲者を一人に抑えれるのに…増やすってのかい?!」
修太「じゃあ!お前が死ぬんだぞ!!」
和也「ひっ…!」
怯えていた。
その修太の圧は凄まじかった。
修太「偽善者は必要ないんだよ。生き残るための犠牲だしょうがないだろ?な?」
そう、和也に言った。
和也「俺は生き残る!!」
修太「そうだ。それでこそ和也だ。本来の人間の姿だ。」
そう頭に手を置いていった。
子をあやすようにやさしく言った。
和也「で!どうするんだ?」
修太「俺が島田の部屋に匿われてると思われる佐々木の拘束をする。お前は海原のとこで姫野を殺せ。」
『殺せ。』簡単にそのような言葉が出てきた。
自分が良ければ他人は関係ない。
そう考えていた。
自分は無関係だからと、そう考えて動こうとしている。
和也「う。出来るかな…。」
修太「大丈夫!お前命令と共に自分の部屋に拳銃あったんだろ?それですぐ終わらせられるじゃないか。なぁ?和也くん。」
王様からの命令。
その凶器は部屋に拳銃が一丁。
奴隷にだけ与えられる唯一の武器だった。
和也「わかった。俺なりにや、やってみるよ。」
修太「よし、行こうか。」
そう言い部屋を後にしていた。
そして、現在に至る。
焦吉「く…。」
修太「読み間違えたか…?」
焦吉「何の話だ…。」
修太「ここに猫峰と佐々木、そしてお前の3人がいると思ってたんだけどなぁ。」
修太の読みは当たっていた。
だが、その時ちょうど蒼はトイレに行っている。
そして、ターゲットの白はこの部屋内に息を潜めていた。
白「…。(なにこれ…ばれてるの…?)」
焦吉「蒼はついさっきトイレに行ってる。」
修太「へぇー。それは都合がいいじゃん。肝心の佐々木はどこだ?」
焦吉「…!(こいつ…肝心のって…!バレてたのか!?)」
思わず表情に出そうになる。
だが、守るためにも押し殺した。
その感情を、必死に止めた。
豪太「く、修太!何考えてんだ!はやくどけ!」
修太「はぁ?お前には色々聞かなきゃならない。」
焦吉「なんで白ちゃんと茜ちゃんを…!」
修太「あぁ~聞きたいか?いいぜ。」
和也と練られている計画が語れようとした。
洸「白にはあぁ言われたけど大丈夫なのか?」
快兎「十中八九今回のターゲットアイツだろ!?」
一方では、ターゲットの検討を付けた洸と快兎の部屋には茜がいた。
茜「ねぇ、白を助けてあげて!」
快兎「当たり前だろ!今は、焦吉たちを信じるしか…。」
―――――コンコン。
そう話している内にやってきた。
『深堀和也』がその部屋に。
洸「…!誰だ?」
和也「お、おれだ!和也だ!」
洸「…?」
快兎「修太たちのグループのデブか…。」
相手に聞こえないレベルのトーンと大きさでそう言った。
洸「何の用だ。」
和也「こ、今回の奴隷がわかったんだ!そいつについては、話したい!」
罠だ。
和也は、そう言いつつもポケットの中の拳銃に手をかけていた。
いつでもターゲットを殺せるように準備していた。
快兎「なに…。奴隷がわかったって…。」
茜「うそ…。ねえ!誰が奴隷なの!!」
つい、声が出てしまった。
バレてはいけなかったのに、悟らせてはいけなかったのに。
その声を聞いた瞬間、ドア越しの和也の顔には笑みがこぼれていた。
和也「(見つけた…。姫野茜の声だな…。フフ…。)」
その確信を得て、さらにドアを開けてもらおうと交渉に出た。
和也「も、もし、聞かれてたらまずいでしょ。だから、4人でお話ししよう…。」
快兎「…!」
その声は、怪しくも殺気を隠すような声をした。
だが、その僅かな変化。声のトーンの変化に彼だけは気づいていた。
快兎「ダメだ…!洸開けるな…!」
小さく相手に聞こえないようにそう言った。
その耳の良さのおかげで、相手の考えている大まかなことが読み取れた。
洸「…。」
茜「ちょっ…!奴隷がわかるのよ?!」
小声でそう話し始めた。
快兎もその声について説明を始めた。
快兎「茜が声を出した瞬間、アイツの声のトーンがわずかに変わったんだ。多分、今回の奴隷アイツだ。そいて、なんでか知らないが、お前が狙われてる。」
茜「え?!私ターゲットじゃないよ?!だって3番だもん!」
快兎「わかってる。アイツの勘違いだろーよ。なんてそそのかれたか知らないがな。」
洸「どうする…快兎…。」
相手の目論見がわかったところで、この状況はまずい。
しびれを切らしてカギを壊されたら厄介だ。
そう考えていた。
快兎「大丈夫。」
そうにやついた。
この状況をなんとかできるといわんばかりの表情をしていた。
茜「どうすんのよ!私死んじゃうかもしれないのよ…。」
半泣き状態で快兎にはそういった。
洸「信じていいんだな…。」
快兎「あぁ。俺を信じろ。」
そう2人に言い聞かした。
和也「頼むよ、協力しようぜ…?」
和也はそう言った。
生きるために手段は選んでいなかった。
洸「わかった。」
そう言いドアに鍵を開けた。
―――――ガチャ。
その音がした瞬間に、
和也は抑えきれなくなった感情が爆発した。
―――――ドンッ!!
和也「ありがとな!お、おれが生き残るためだ!!」
ポケットに用意していた拳銃を取り出そうとした時だった。
快兎「と、いうことだそうだ。奴隷さんが正体を表したぞ。」
快兎は耳に携帯を当て、誰かと通話をしていた。
―――――ドンッ!!
和也「え…?」
次の瞬間、和也の背後から何者かが現れ、押し倒してしまった。
その者に握られたロープで和也は縛られていく。
突然のことで対応ができていなかった。
その状況に、茜も洸も驚いていた。
その目に映っていたのは紛れもなく、
龍斗と蒼の姿だった。
第7話 『生への執着』 (完)




