第6話 『暗躍』
白、蒼、焦吉が決意表明及び『内通者』の疑いのある人間のマークを計画していた時。
別の場所では、狩りの準備が企てられていた。
修太「お前、目星ついてんのか?ターゲットの…。」
修太は、手助けをするといった。
狩られる側、狩る側の手助けを。
そして、今この時その手助けの準備をしていた。
そう、狩る側のほうの準備を。
その人間…。奴隷を目の前にして…。
『深堀和也』の目の前で。
和也「ほ、本当に助けてくれよ?!修太!」
その小太りの男は必死になって頼んでいた。
命乞いをすかのように頼み込んでいた。
修太「安心しろよ…。助けてやる…。」
和也「でも、おれ…。バカだから…。表情にもでるし、ターゲットもわからないし!!」
修太「大丈夫さ。任せろ…。ターゲットの目星はついてるさ…。」
そう、悪い顔で言った。
その形相は、殺すことに何のためらいの無い表情だった。
周りの政義も豪太も引くほどに。
和也「だ、誰なんだよ!それ!」
修太「落ち着け。この二人のどっちかだ。」
そう言い写真を出した。
和也「これは…。」
そこに出されたのは、『佐々木白』と『姫野茜』の写真だった。
修太「俺のついさっき目撃したのが正しければな…。憶測でもあるが…。どちらも男二人に護衛されてるからってなだけだ。しかも、どっちにも頭の回るやつがいるってことだ…。」
和也「それ…殺せるのかい…??」
そう、殺すことが当たり前のような口調で言った。
生きるために手段を選んでいなかった。
修太「いいこと教えてやるよ…。」
和也「う、うん…。」
耳元で何かを囁く。
小さな声で何かを。
政義「…。」
豪太「な、なに話してたんだ?」
そう、疑問そうに問いかけた。
そうすると、口元に人差し指を立てて言った。
修太「秘密だ…。」
悪い笑顔で、そう言った。
仲間にも漏らさない計画が和也には語られた。
豪太「な。」
修太「さ、ここからは二人だけの話だ…。出ていってくれないか二人とも…。」
殺気立ってそう言う。
その圧には二人共耐えきれずにすぐさま出た。
修太「さ、話の続きをしよっか。」
和也「ひっ…!」
その怯える和也に反して修太は落ち着き話し始めた。
一方で、出て行った2人は…。
豪太「チッ。何だアイツ。俺たち信用されていないのかよ…。」
政義「らしいな。僕はトイレに行くよ。」
そう言い、1人でさっそうと歩いて行った。
豪太「ケッ。ほんとにいいのかよこれ…。」
そう呟き考えていた。
そして、豪太もどこかに行ってしまった。
一方、監視ルームのクイーンもこの様子を見ていた。
―――――コツ…コツ…コツ…。
クイーン「おやー?どうしたんだい~?」
???「いえ。もうご存じかと思いますが、勝手なことをしてこのゲームを崩そうとしてる輩がいます…。」
クイーン「うん~。しってるよ。それを抑制してほしかったの~君には~。」
???「申し訳ございませ…!ガハッ!!」
クイーンは思い切りその者の腹に蹴りを入れた。
容赦のない蹴りを見せつけた。
クイーン「申し訳ございません?ちげぇだろ?役立たずが。」
???「ガハッ!!」
間髪入れずにもう一発蹴りを入れた。
クイーン「何のために君を置いてるの?ねえ?」
???「グフッ!!」
さらにもう一発入った。
クイーン「お前目もつけられてんだぞ?それに加えて勝手な行動を許すとかさぁ!!」
???「ガッ!!」
その足は止まらなかった。
まだ蹴られている。
クイーン「どう償うつもり?もし、君のせいでゲームが壊れたら…わかるよね?」
???「は…い…。」
苦し紛れの返事が出た。
ギリギリ出たかのような返事が。
クイーン「わかればいいの。絶対に壊させるんじゃないよ…。」
???「はい。」
そう言い、その者は立ち去った。
―――――コンコン。
ドアを誰かがノックする。
焦吉「…!?」
白「誰…?」
焦吉たちのいる部屋をノックする。
蒼ではないことは明確だった。
ノックなんてする必要がないから。
焦吉「誰だ!!」
大声でドアの前の人間に語り掛けた。
今は、足を怪我してる焦吉とターゲットの白しかこの部屋にはいない。
焦吉「(もし、奴隷が来たらどうする…。俺だけじゃ守れないぞ…。どうする…!)」
―――――コンコン。
二回目のノック。
それと同時に、向こう側から声が聞こえてきた。
豪太「俺だ!鉄山豪太だ!」
その瞬間に、焦吉たちはほんの少しだが危機を察知した。
なぜ、突然彼が来るのか。
なぜ、この部屋に修太たちの仲間が来たのか。
何もわからなかった。
焦吉「俺に何の用だ…。」
落ち着いて、呼吸を整えながら問いだした。
白がいることを悟られないためにも、ゆっくりと聞いていた。
豪太「話があるんだ。」
焦吉「…。何の話だ。」
迂闊に変なことを言えない。
もし、白と同じく「狩る側の人間じゃない証拠は?」とも聞けない。
豪太「大事な話なんだ!」
焦吉「なんで修太たちといつもいるお前が来た…。」
豪太「それは…入れてくれたら話すさ…。」
焦吉「信用できるわけないだろ!」
豪太「く…。頼む…。このままじゃ…。佐々木か姫野が殺される…。」
すごく小さな、やっとの思いで出てきたような言葉だった。
何かに苦しんでいるような声だった。
焦吉「は…?どういうことだよ…それ…。」
豪太「頼む!中に入れて話だけでも…!!」
そんな反応に困った。焦吉と白は困惑した。
蒼のいない今守れるのは焦吉だけ。
そして、その答えは。
焦吉「わかった…。はいれよ。」
そう言い、ドアをゆっくりと開けた。
―――――ガチャ…。
そのドアを開けた瞬間だった。
―――――ドンッ!!
豪太「な…っ!」
豪太が背後から押し倒された。
その後ろにいたのは…。
修太「よぉ。島田ぁ。」
修太だった。
その修太のいることに豪太も驚いていた。
豪太は一人で来ていた。
だが、交渉してる間に修太と和也の話は終わっていた。
その、話の計画が実行されていた。
修太「んでよぉ。なーんで豪太がここにいるのか聞いてもいいかぁ?」
焦吉「お前やっぱり!!」
豪太「ちが…誤解だ!!」
修太「何楽しそうな会話してんだよー。混ぜろよなぁ俺もよぉ。」
焦吉「な…!お前が豪太を利用しようとしたんじゃないのか!!」
自身の疑問を、豪太の上に座っている修太に問いただした。
修太「はぁ?知らねぇよ。つーか…。」
修太はそう言いながら部屋を見渡していた。
焦吉「…っ。」
修太「お前一人なの?」
第6話 『暗躍』 (完)




