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ログアウト  作者: 狐野柄
第一章:FIRST GAME
12/22

幕間 『残りの4人』

これは、グラウンドで2人の少年が鬼から脱しようとした時の話。

そのグラウンドの上には、命惜しさに少年少女が、鬼に仲間を売ろうとしていた。

その滑稽な姿は、まるで出荷直前の動物そのものだった。

強者が狩り、弱者が狩られる。そんな光景だった。

その様子を、木の上にいる少年、玄関近くの少年。

そして、鬼の死角を利用している者が4人。

金髪でリーダー格の男。おどおどしている小太りな男。

細身で眼鏡をかけている男。筋肉質でガタイのいい男。

そんな4人がいた。

金髪の男は、最初に教室で率先して動いていた男。

鷲田修太(わしだしゅうた)だった。


政義(まさよし)「なぁ…。俺たちのあそこにいけばたすかるんじゃないか…?情報提供すれば…!」


和也(かずや)「そ、そうだよ!いこう!!」


眼鏡の男に、小太りの男がそういった。


修太「おめぇら馬鹿か?あんなんで、あの化け物が助けてくれるとでも?ま、死にたいなら止めねぇさ。行きたきゃ勝手にしろ。」


修太は、この先どう言った結末になるのかを予測した上でそう言った。

そんな簡単なこと、と思いつつ伝えていた。


案の定、鬼は命乞いをしていた少年少女を容易く殺されていった。

簡単壊れていった。なんの躊躇もなく殺された。


和也「ひっ!こ、ころした…!」


豪太(ごうた)「なんでわかったんだ?」


修太「逆にわからないことあるか?あんな簡単な考えに行きつけないのは、あの殺されたバカ二人と同じ知能ってことになるぞ。」


政義「でもよー!こんな状況だぜ?」


修太「チッ。こんな状況だ?俺はこの状況でも冷静だ。冷静でいられる人間が1人でもいるんだ、おまえらもなれるさ。」


簡単なことのように言った。

だが、決して簡単じゃない。

冷静でいられる方がすごいくらいだった。


豪太「で、だ。これからどうするんだ?」


政義「逃げよーぜ!校内に!」


修太「いや。俺はここに残る。鬼が探してやがる、危険だが。」


黒いローブの鬼は、辺りを見渡していた。

その機械的な目で静かに探していた。


和也「じゃ、じゃあ、ずっとここにいるのかよ?!」


修太「あぁ、そのつもりだ。時間的にも、ここを奴が離れたらもう、こねぇだろって言う勘だ。」


政義「勘?!そんなもの信じてここにいろってか?!」


修太「あぁ。そうだ。信じられないなら一人で行ってもいいぞ。」


豪太「まあまあ。とにかくだ。どちらにしろ、鬼が動くまで動けないのは事実。」


その時だった。

勢いよく風の音を立てて、鬼は割れた窓ガラスの方向へ飛んで行った。

ものすごい速さで飛んで行った。


修太「化け物だな……。」


そして、その後は4にんともグラウンドから動こうとせず、時間を待って。

その終了のサイレンまで、長い間緊張感を途切れさずに待った。

ずっと、ずっとその時を待った。


――――――――うぅぅぅぅぅぅぅぅぅーーーーーー。


そして、その時は来た。


和也「この音は!!」


政義「やった…!やったんだ!」


豪太「おう!!やったぜ!!」


激しい窓ガラスの割れる音が色んなところで、聞こえていた。

だが、そんなことも気にせずにその時を待っていた。

そして、一人の男が立ち上がった。


修太「よし、中に入るか…。」


政義「お、おう!大丈夫なのか?」


豪太「サイレン鳴ったんだ。きっと大丈夫さ。」


4人はゆっくりと玄関に足を踏み入れた。

その時だった。


――――――――ブーブーブー。


ポケットの中に入れていた携帯のバイブレーションが鳴り響いた。

通知が届いた。


修太「…。」


和也「な…!」


政義「まじかよ…。」


豪太「嘘だろ…!?」


その通知は『死の通知』だった。


『—―――安藤 未希がログアウトしました。――――』


保健室で、息絶えた少女の名前だった。


和也「どうすんだよ……。」


修太「なんだ?ちゃんと見てないのか?」


政義「な…!それは!!」


修太が、携帯の画面を3人に見せる。


修太「これに従う他ないだろ。ほら、いこーぜ。」


その声とともに3人は、修太の後をついていった。


修太「(このふざけたゲームを利用してやる…。この俺が、生き残るために支配してやる…。洸…。待ってろよ…。)」


そう心の中でつぶやいていた。


その時の顔つきは、誰も見ていなかったが、

恐ろしく、まるで化け物のような形相をしていた。




第一章 幕間 『残りの4人』 (完)

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