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せやさかい  作者: 大橋むつお
本編
42/438

42:ラジオ体操第二! 

せやさかい・042


『ラジオ体操第二!』 





 チャンチャカチャン(^^♪ チャンチャカチャン(^^♪ チャチャチャチャチャンチャカチャン(^▽^)♪


 ラジオ体操のイントロで目が覚める。


 あ…………枕元にラジオ体操人形。寝ぼけてお腹を押してしもたんや。


 ポチ


 もう一回押して停める。せっかくの夏休み、二度寝のまどろみを楽しむ…………。


 チャンチャカチャン(^^♪ チャンチャカチャン(^^♪ チャチャチャチャチャンチャカチャン(^▽^)♪


 え? 切ったはずやのに…………えぇ? ラジオ体操は外から聞こえてくる。


 ボーーっとしたまま体を起こして窓の外を見る。


 おお…………( ゜Д゜)


 境内に小学生が集まってラジオ体操をやってるやおまへんか。


 首からカードをぶら下げて、六年ぐらいの子ぉが前で見本を見せながら、みんなでそろって…………一・二・三 一・二・三……おおお、伝説の夏休み朝のラジオ体操(''◇'')!


 うちの小学校ではやってへんかった。


 噂では、地方に行くと、お寺や神社の境内でやってるって聞いたことがある。それが灯台下暗し、うちの境内でやってるとは思わんかった。


 アイ ウォナビ~ イン ザッツナンバ~~(^^♪


 お父さんのオハコやった『聖者の行進』のフレーズが弾けた! つるんでやることは苦手やけど、あのラジオ体操は……せめて、そばで見てみたい!


 そう思うと、パジャマのまんま階段を下りて、サンダルをつっかけて境内に急いだ!


 チャチャチャ チャチャチャン♪ チャチャチャ チャン♫


 境内に出てみると、蝉時雨と競うようなラジオ体操が陽気に鳴り響いていた……けど、三年生くらいの女の子一人になってしもてた。


 ラジオ体操は第一が終わって、第二の整理運動いうんやろか、息を大きく吸い込んで腕を前で交差させて深呼吸……。


 え? ええ!?


 女の子は、深呼吸をしながら、コマ落しみたいに大きなっていく。


 ……四年生……五年生……六年生……中学一年生……中学二年生…………女の子はのりちゃんの姿になった。


「のりちゃん……」


「アハハ、ハナちゃんのお人形でラジオ体操思い出して。いやあ、懐かしかった!」


「あ、ひょっとしたら、ラジオ体操の出席カード!]


「うん?」


「休んだ日があって、ハンコの数足らんから、その分稼ぎに現れたとか!?」


 のりちゃんは、やり残したことがあって、中学生の頃の姿で蘇ったんや。


「ハハ、家は、道挟んだ隣やったから、ずっと皆出席やったよ!」


「そうなんや」


「ごめんね、起こしてしもて」


「思い出されへんのん、やり残したこと?」


「アハ(´∀`*)、そのうち思い出すやろしぃ」


 照れたように笑うと、空気に溶けるようにのりちゃんの姿が薄なって……いや、薄なってんのは、うち方や!


 あ! あ! 消えていくしいいいいいいいい…………!



 さくらちゃ~ん、そろそろ朝ごはん。



 おばちゃんの声で目が覚めた。


 窓の外の境内は、やかましいくらいのセミの声で満ちておりました。




☆・・主な登場人物・・☆


•酒井 さくら      この物語の主人公 安泰中学一年 

•酒井 歌        さくらの母 亭主の失踪宣告をして旧姓の酒井に戻って娘と共に実家に戻ってきた。

•酒井 諦観       さくらの祖父 如来寺の隠居

•酒井 諦一       さくらの従兄 如来寺の新米坊主

•酒井 詩        さくらの従姉 聖真理愛女学院高校二年生

•酒井 美保       さくらの義理の伯母 諦一 詩の母

•榊原留美        さくらの同級生

•夕陽丘・スミス・頼子  文芸部部長

•瀬田と田中(男)       クラスメート

•田中さん(女)        クラスメート フルネームは田中真子

•菅井先生        担任

•春日先生        学年主任

•米屋のお婆ちゃん

•佐伯さんのお祖母ちゃん 釋良袋(法名) 法子(俗名)



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