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王子様がガラスの靴を見ると、そこにはドレスの裾と人間の足がありました。驚いて顔を上げると、ガラスの靴がぴたりと合ったあの夜の娘がいました。
「シンデレラ!」
「ああ、王子様。やっと見つけてくださった。シンデレラは私です。ねずみの灰かぶりです」
「何を言っているのです。美しい女性の姿をしているではありませんか」
奇跡が起こりました。夜十二時までの夢であったはずなのに、灰かぶりは今、本当に人間になれたのです!
王子様はシンデレラの手を取りました。
「私の運命の人はこんなに近くにいたのですね。シンデレラ、私と結婚して下さいますか?」
シンデレラは幸せそうにほほえみました。
「はい、よろこんで」
それからすぐに、この国始まって以来の盛大な結婚式がとりおこなわれました。ねずみのシンデレラはいついつまでも、王子様と幸せに暮らしました。
ところで、厨房の巣穴にいる灰かぶりのお姉さんたちですが、灰かぶりが幸せを手にしたことなどつゆ知らず、ごろごろしながら灰かぶりの帰りを待っていました。そのうちに怠けんぼうのお姉さんたちは、あっさりコックに捕まってしまったんですって!
End
最後まで読んでいただきありがとうございました。
「シンデレラ」というお題で短編を書くという企画で執筆したものです。
2007年に書いたものを掘り出してきました。
お楽しみいただけたでしょうか? 感想等いただけると励みになります!
こういうお話は童話祭に提出したかったんですが、公開済みなので断念。
短編、長編、色々ご用意ありますので、ぜひ沖田の他の作品もよろしくお願いいたします!