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 灰かぶりは幸せでした。人間の娘として王子様と会い、今ダンスを踊っているのです。時間はあっと言う間に過ぎていきました。


「どうしてでしょう。私はあなたと初めてお会いした気がしないのです」


 王子様が灰かぶりに言いました。


「きっと、どこかでお会いしたことがあるのですわ」


 灰かぶりは答えました。




 ゴーン ゴーン



 夜中の十二時を知らせる鐘が鳴り始めました。灰かぶりは約束のことを思い出しました。


「いけない、時間だわ! 行かなければ」


「どこへ?」


「帰らなくては。それでは王子様、幸せな時間をありがとうございました」


 灰かぶりは王子様の手をすり抜けるように走り出しました。


「まって! まだお名前も聞いていない」


「シンデレラですわ。王子様」


 灰かぶりは少し振り返って答えると、お城の出口の階段をかけ降りて行きました。途中、靴がぬげてしまいましたが、そんなことにかまっている余裕はありませんでした。人目につかない中庭の生け垣あたりまで来たところで、最後の鐘が鳴り、灰かぶりはもとのねずみの姿に戻ってしまいました。

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