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何者。
★この物語を、あなたに贈ります。
まだまだ未熟ですが、お読みいただけたら嬉しいです。★
時見 星利
ヒュウウ…
ヒュルルル……
落ち葉が冷たい風に巻き上げられる、ある冬の夜。
漆黒の闇の中には、宝石箱から散りばめられたような星屑が瞬いている。
そしてその中に、大きな満月が1つ。
…怪しげな光をたたえながら、まるで魔女のような雰囲気で笑っている。
下に転がっているのは、1匹の死んだ小さな黒い猫。
――静。
嵐の前の静けさであった。
ピカッ
その刹那、大きな満月からまばゆい光が広がり、渦巻き、その地平線をも強烈な閃光で包んだ。
そして、闇に溶け込み、姿かたちは目に見えぬ何者かが、厳かなしゃがれ声で、静かにその猫の死体へと語りかける。
「喜ぶがよい。
お前は、チャンスをもらえたのじゃから…。
でも、これが最後じゃぞ…。
――ハハハハハ!アッハッハッハ!」
だんだん大きくなるそのしゃがれた笑い声とは裏腹に、黒猫を包んだ光はだんだん小さくなり、満月へと吸い込まれていった。
――寂。
そこに残ったのは、元と同じような、静寂の世界だった。




