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お人形さん  作者: 月影 ゆかり
5/9

5つめ

後半、グロいです!閲覧注意!!


苦手な方、Uターンですよ!

「お人形さん、お人形さん どうか

三崎幸太郎 を殺してください」


1.


図書室。


今日も、あの数学教師から 逃げてきていた。


何かにつけて、私に話しかけてくる。


あの変にしゃがれた声も動作も嫌いだった。


数学は、普通だったけど あの数学教師は教え方が下手くそで、益々わからない。


「あいつなんて、死ねばいいのに。」


ボソッと小声で呟いた。



図書室は、今日も人は少なく静かだ。


あの数学教師も、ここまでは追ってこない。


私は本棚から、面白そうな本を見つけ 本棚からそっと引き抜く。


パサッ


1枚のメモみたいなのが、床に落ちた。


誰かのイタズラかな?


私はそっと、メモを拾って中を見てみた。



お人形さんのやり方


1 深夜の0時にやること。

2 照明を消すこと。

3 自分の部屋で1人、やること。


手順

照明を消した、自分の部屋で深夜の0時に

正座しながら扉に背を向ける。


そして、目を瞑りながら

「お人形さん、お人形さん どうか(嫌いな人の名前)を殺してください」

と、1回唱える。


お人形さんは、嫌いな人を殺してくれる代わりに、あなたの身体の一部を奪います。


それは、ノートの紙で殴り書きされていた。


「お人形さん?」


馬鹿じゃないの。そんなのあるわけない。


でも、もし本当だったら?


簡単そうだし やってみようかな。


「やめた方がいいよ」


ビクッ


いきなり後ろから、声が聞こえた。


ゆっくりと、私は後ろを振り返った。


そこにいたのは、隣のクラスの二階堂さんだった。


根暗で、何を考えているのかすら わからない。


「どうしたの?」


私は愛想笑いで、二階堂さんを見た。


「お人形さんは、本物だよ。この学校では 3人死んでる」


二階堂さんは、気にせず話を続けている。


「あぁ、なんか事件になってるね。連続殺人でしょ?」


「お人形さんは、危険だから。」


私の言葉なんて、耳に入っていないようだった。


「私、急いでるから もう行くね。」


二階堂さんと、話していても楽しくない。


私は足早に、図書室を後にした。



2.

教室へ向かう階段の所で後ろを振り返った。


二階堂さんは、追ってきてはいなかった。


「あ。」


結局、お人形さんのメモは持ってきてしまった。


まぁ、いいか。


私はポケットにメモをぐしゃりと突っ込んだ。



そういえば、あの数学教師の名前なんだったっけ?


三崎 なんとか だった。


たぶん、名前を言う時はフルネームじゃないと駄目だよね。


教室に入り、友達に聞いてみた。


「あの数学教師? なんで、いきなり?」


「あぁ、ちょっと…なんだったかなーって思って」


友達は、私の様子にあまり意識していなかった。


「確か、三崎 幸太郎 だよ。」



3.


家への帰り道、


三崎幸太郎 三崎幸太郎 三崎幸太郎


何回か名前を心の中で言いながら、歩いていた。


教師の名前って、覚える気ないんだよね。


でも、今回はちゃんと覚えなきゃ。


そういえば、二階堂さんの下の名前 知らないな。


なんだったっけ?


由美?恵美? いや、なんとか子かもしれない。



そう思いながら、家へと辿り着く。


家と学校はそこまで遠くない。


歩いて10分で着いてしまう。


* * *


帰ったら、勉強をして 夜ご飯を食べる。


そしてちょっと歌を聴いたら勉強する。


「ふぅ。 もう11時50分か」


メモを取り出し、また見返す。


1人の部屋。 OK!


照明。 は、まだいいかな。


三崎 幸太郎。 ちゃんと、覚えてる。


窓。 は、閉めたままでもいいよね。


「お人形さんは、危険だから。」


二階堂さんの言っていた言葉を思い出す。


だけど、すぐ首を横に振り 大丈夫と自分に言い聞かせた。



よし、もうそろそろ照明を消そう。


カチッ


窓の方を向きながら、正座をする。


もう、みんな寝ている。


12時のチャイムが遠くから小さく、聞こえる。


たぶん、隣の家だ。


私はぎゅっと、目を瞑り言った。


「お人形さん、お人形さん どうか

三崎幸太郎 を殺してください」



目は、もう開けてもいいだろうか。


まだ、少し緊張している。


いや、本当は怖いのかもしれない。


ガタ ガタガタ


下から、物音が聞こえてくる。


目を閉じているから尚更、聞こえやすいのかもしれない。


タンタン タン


廊下を歩く音が聞こえる。


目を開けようとするが、なぜか目は開かない。



ギイィィ


扉の開く音が後ろから聞こえた。


でも、私の部屋の扉は開ける時にこんな音はしなかった。


ギシギシ


そっと、私の方へ近づいてきている。


私の部屋の床も、そんな音はしなかった。


「三崎、幸太郎? 三崎幸太郎を殺してほしいの?」


目も口も開かなかった。


ただ、背中がゾクゾクと震え上がる。


「目が、目がほしい。 目が…」


お人形さんなのだと、私は実感した。


お人形さんの気配は遠ざかる。


やっと、目が開く。


私はそっと、目を開いた。



そこには、包丁を私の目に向かって振りかざす お人形さんがいた。


グチュ、グリ、グシャ


目を取られる痛覚だけを感じていた。


抉り取られるように、目は取られてしまった。



私は、目が見えなくなった。

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