「あれ」の共通
夏の季節、日陰のベランダ窓にほっぺたをひっつけると
ひんやりしていてとても気持ちいい。
ゆっくり馴染むその冷たさに
少し早い秋を感じるのは私だけだろうか。
裏窓にはカエルが小さくへばり付いている。
器用に全身を窓につけ、
誰かを待っているように、
あるいは誰かがカエルの歌を歌うのを待っているように
ひっそりとそこにいる。
ふと向かい側のベランダ窓を見ると
ネコが窓にひっついていた。
一瞬そこに這いつくばっていたと思えば、
ズルズルとゆっくりと下へ落ちていく。
そしてまた這いつくばる。
その光景を見て私はくすっと笑うとともに
生き物には共通の癒しがあるんだなと
感心した。