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虚飾の檻  作者: ヒヨ子
羨望の果実
8/8

7

いや、寂しかったのだろう。と憶測をしたの方が強いかもしれない。


お聞きください。人間は、ひょんなことから身を持ち崩します。


田舎娘が都会の喧騒に圧倒されます。分不相応な贅沢に目がくらみます。かっこいい男が現れます。甘い誘惑が目の前に横たわります。そして、フラフラと引き回される内に、知らずして私は堅気の“こちら”の世界から愛人、そして悪女へと堕ちていくのです。


東雲は利口な方。私達の最初の出会いは必然とも偶然にも取れる、ある地方局のラジオ番組。

ラジオ業界のDJは顔こそ見えなくとも皆鏑木や武藤と似たり寄ったりの流暢なしゃべりのうまい業界人ばかり。


東雲とは事務所こそ違えどデビューの経緯は似たり寄ったりだと思う。私達はお互いまだ駆け出しの芸能人だ。

もちろん控え室なんて大部屋だし何時間待ちとか当たり前。そんな時の暇つぶしがてらにまぁ、イケメンがいれば盛り上がるのは当たり前で。


東雲と私はいつしか大学内でお互い“あちらの世界”を語り合える、数少ない友人になっていた。

それでも私達は一定の距離を保っていた。


それは暗黙の了解だった。


なんとなく察するだろうが私と武藤と鏑木の関係は大人の世界では起こるべき事が起こるべくして起こった関係だった。

それは多分、今までの経緯を読んでも察するだろう。

私の初めての男は武藤。そして“手ほどき”をしたのは鏑木だ。


東雲司にもそんな相手がいないわけがない。


お互い、それは解っていたし節度もあった。羽目を外したりして干されるのは堪らない、というワケだ。



二人で話していた事なんて、本当に下らないこと。愚痴がほとんど。


私と司の愚痴は主に顔の見えないネット上の中傷と…二人の共通の敵だ。

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