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虚飾の檻  作者: ヒヨ子
プロローグ
1/8

***

ただの平凡な女子大生だった主人公が芸能界に入り徐々に悪女ぶりを磨くお話。


蛍・・・・・雑誌にドラマにバライティーに引っ張りだこのモデル兼アイドル兼女優。現役女子大生。

素朴な長野の田舎出身。演技は大根、歌も下手、ダンスも並みと芸能人としては二流だがなぜか彼女の飾らないひとがらと等身大のキャラクターで世間からは愛されている。

本人はかなり世間の評判とかけ離れた人間性だがそれにはある理由が…


一条 叶・・・・・一応彼女の唯一の親友であり売り出し期のルームメイト。金持ちな為か出しゃばらず特に蛍の芸能界にも興味を示さず。


武藤 豊・・・・ある界隈では有名な遊び人でプロデューサー。蛍の才能と悪女性に可能性を感じて投資を始める。


上田・・・・・付き人


松浦 由美・・・蛍の事務所の後輩。ちょっとミーハーで見栄っ張り。


RIKO・・・・自称お嬢モデルとして売り出したモデル。実態は水商売のアルバイトと掛け持ちで食いつないでいる。


絢香・・・・大学の友人。地味に見えるが…


山内 悠・・・ドラマで共演したイケメン俳優


植村社長・・蛍の所属する芸能事務所の社長。拝金主義で流行に敏感。


加藤 彩名・・・大学のクラスメイト。地下アイドル。


東雲 司・・・・蛍の大学のサークル仲間。メンズ系雑誌の読者モデル


マリア・・・・読者モデル。強烈な上昇志向と芸能界への憧れを持つ。


金子 鉄・・・蛍ですら物怖じする芸能界のドン的人物。


HIRO・・・・あまり有名でないロックミュージシャン


タカトシ・・・・本名山野隆。蛍のバックアップで読者モデルとしてデビューする。


鏑木 直哉・・・いつもどこかの展示会場及び催しには必ず顔を出す男。意外な形で後に姿を表す。


たるぴー・・・・原宿系ファッションモデル。


松田 俊樹・・・・たるぴーがデザインした名目の服を売るアパレル会社社長


栞・・・・・アフィリエイトで稼ぐスゴ腕主婦




『あ、あれ蛍じゃん』

渋谷の雑踏。スクランブル交差点。熱帯砂漠。人混みの熱気。全てが上辺だけの煌めきで飾られている。

『マジ?どこ?』


茶っぽく染めた髪を今風にセットした“お兄さん”ー。


ああ、ありきたりね。全てがいつも通りで馬鹿馬鹿しい。


『え、HOTARUいんの?』


革ジャンを着込んで海外物の香水を漂わせ薄っぺらいワイルドを気取ったいかにもな“子供”達が私を見て騒ぐ。


全く、たかが“芸能人”が通っただけで騒ぎすぎだっての。

芸能人にオフが無いんだとしたら有名税なんてとっとと返上したいね。全く。


私はやんちゃ気取りの“お兄ちゃん”達にニッコリと笑顔を向けると奴らが入ってこれないブティックに入った。


高級メゾンの厚い壁は無遠慮な視線とゴシップから守るにはお誂え向きだ。


先ほどの兄ちゃん達がハイテンション気味にブティックの前でたむろするのを見ると満足、というよりお疲れ様、といった感じ。


馴染みの“担当”にVIPルームを抜けて裏口に案内して貰うと、私は躊躇せずに山田にコール。


山田は5分も経たない内に確実に“足”を用意してくれる。


乗り込んだところで私は勢いよくヒールを脱いだ。

こんなもの四六時中履いてたら骨盤歪むちゅーの。


あまり迂闊に大きな態度は取れないがタバコくらいは普段から払っている上乗せした心付けと私の笑顔で大目に見てくてるだろう。


芸能人なんて下手にフレンドリーに一般人と絡むくらいなら黙って憂鬱な“フリ”して多少支払いを弾んだ方が自分のためよー



『お姉さん、朝早くから大変だね。』


人の良さそうなおっさんは目を細めた。

うん。私こういう人嫌いじゃないよ。少なくともミーハーなガキとパパラッチのウン100倍は好き。


『サービス業だからね、大変なのよ』


私はミラー越しに最大の武器である笑顔を見せた。

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